【2026年最新】入管法改正をプロがわかりやすく解説!

入管法は正式には「出入国管理及び難民認定法」と呼ばれ、1951年に制定された日本の法律です。この法律は、日本に入国または出国するすべての人々の活動を公正に管理して、難民の認定手続きを整えることを目的としています。

具体的には、日本への入国や出国管理、在留資格の確認、不法滞在の防止、難民の認定プロセスの規定を含みます。しかし、法改正が自社の採用活動にどのような影響を与えるのか不安に感じている方もおられるのではないでしょうか。

最新の動向を把握した上で、外国人材が安心して働ける環境を整えることが企業の持続的な成長には不可欠です。

この記事では、入管法の概要や改正前に抱えていた主な課題、入管法改正による変更点について解説します。また、外国人雇用にあたって受入れ企業が注意すべき点についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

編集部
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入管法改正前に抱えていた主な課題

入管法改正前には、さまざまな課題が存在していました。主な課題については以下のとおりです。

  • 退去が困難な外国人の存在

大部分の外国人は退去が確定するとスムーズに日本を去っていきますが、退去を避けようとする一部の外国人が存在した。これには、繰り返しの難民申請や航空機内での問題行動により物理的に退去できなくなるケースが含まれる

  • 収容施設での長期収容

退去が確定したにもかかわらず、上述の理由により、収容施設での収容期間が長期化する事例が発生していた。この長期収容は、収容される個人にも、施設運営にも多大な負担がかかる

  • 保護制度の不備

難民や保護を必要とする外国人に対する制度が不十分であり、これらの個人が適切な保護を受けられないケースがあった。制度の不備は、国際社会における日本の立場や評価にも影響を与えていたと考えられる
これらの課題は、「送還できないために収容が長期化して、それがさらなる人権上の懸念を生む」という負の連鎖に陥っていました。政府は、助けが必要な人を迅速かつ確実に保護しつつ、ルールを逸脱した滞在には厳正に対処できる体制を整えるため、抜本的な制度の見直しを迫られました。

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入管法改正による変更点

次に、入管法改正による変更点について解説します。それぞれについて詳しくみていきましょう。

変更点①2019年4月の入管法改正

2019年4月の入管法改正で「特定技能」という新しい在留資格が導入されました。これまでの外国人技能実習制度は、技能の習得という名目で実施されており、本国への技能移転が目的でした。

一方で、特定技能は日本の人手不足の直接的な解消が目的です。特定技能制度は16の産業分野において適用され、より柔軟な基準で外国人労働者の受け入れを可能にしています。

これにより、農業や介護、建設など、労働力不足が深刻な分野に新たな人材が流入することが期待できます。

なお、特定技能の職種については、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:【2023年最新版】「特定技能」1号・2号とは?職種16分野の業務内容やよくある質問も徹底解説! – 株式会社 グローバルヒューマニー・テック

改正のポイント

特定技能の導入により、高度な技術や知識を持つ外国人労働者の受け入れが拡大され、よりよい労働条件のもとで働くことが可能になりました。また、この改正法は、留学生や技能実習生の管理においても新たな措置を導入しています。

具体的には、技能実習生の失踪問題に対処するための具体的な取り組みが強化され、留学生の在籍状況に関するチェックもより厳格になりました。これらの変更は、日本で働く外国人の権利保護を強化すると同時に、不正な滞在や労働を防ぐのが目的です。

変更点②2021年提出の入管法改正案の取り下げ

2021年に提案された入管法改正案は、難民認定のプロセスにおける重要な修正案でした。具体的には、難民申請の回数に制限を設け、3回目以降の申請者が「相当な理由」なく申請した場合、本国への送還が可能となる規定が提案されています。

この改正案が提出された背景は、難民申請の繰り返しにより、本国への送還を避けることへの対応策です。さらに、「補完的保護」制度の創設により、紛争などから逃れてきたが難民と認められない人々への入国許可が検討されました。

また、送還妨害への罰則新設、入管施設収容の定期的な見直し、外部での生活を支援する監理措置制度の創設も含まれています。しかし、これらの提案はさまざまな反響を呼び、最終的に改正案は取り下げられました。

改正案の問題点

2021年に提出された入管法改正案では、以下の事項が人権上の問題点としてあげられています。

  • 不法滞在者の帰国徹底という方針
  • 難民認定申請が3回以上の場合、強制送還が可能
  • 強制送還を拒む者に対する刑事罰の導入

多くの難民申請者は、帰国によって生命や自由がおびやかされる可能性があるため、この改正案は人権侵害につながると指摘されました。日本の難民認定率の低さと、過去に発生した入管施設での悲劇的な事件が改正案に対する反発を強め、最終的には改正案の取り下げにつながっています。

変更点③2023年6月の入管法改正

2023年6月の入管法改正は、難民認定手続きの厳格化に焦点を当てたものです。とくに、議論を呼んだのは、難民認定申請を3回行った後の強制送還が可能になる規定です。

日本における難民認定の基準は国際的に見ても厳しく、入管調査官の知識不足や国際基準との乖離が適切な審議を妨げている状況が指摘されています。この改正により、再三申請を行う難民申請者に対する強制送還が容易になり、保護を必要とする人々が危険にさらされるリスクが増大しました。

一方で、改正案では難民認定の適正化を目指し、専門的な知識を持つ職員の育成が盛り込まれた点は前向きな方針です。しかし、出入国管理の機能と保護の理念を同一機関が担うことへの懸念は依然として残り、より効果的な対策が求められています。

改正の懸念事項

大きな懸念を呼んだのは、3回目以降の難民認定申請を行った者に対する強制送還の可能性です。日本の難民認定基準の厳格さと、入管調査官の知識不足や国際基準との乖離が、不適切な難民不認定を生む要因となっています。

このような背景のもと、申請者が繰り返し申請するのもやむを得ない状況であり、新たな規定はこれらの個人を危険に晒す可能性があると懸念されています。

変更点④2024年6月の入管法改正

2024年6月に成立した改正法では、長年運用されてきた「技能実習制度」を廃止し、新たに「育成就労制度」を創設することが決定しました。

これまでの技能実習制度は国際貢献が目的でしたが、新制度では深刻な人手不足に対応するため「人材の確保と育成」を明確な目的として掲げています。技能実習制度と育成就労制度の違いを以下の表にまとめました。

◆技能実習制度と育成就労制度の違い

項目旧:技能実習制度新:育成就労制度
制度の目的国際貢献(技能移転)人材確保・人材育成
転籍(転職)原則不可要件を満たせば可能
在留期間最長5年(実習のみ)3年(その後の特定技能へ移行前提)

また、永住許可制度の適正化や不法就労助長罪の厳罰化など、健全な共生社会の実現に向けたルール整備も盛り込まれました。

なお、育成就労制度については、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:育成就労制度とは?導入に向けたステップと技能実習との違い

改正のポイント

2024年6月の入管法改正は、以下があげられます。

  • 「育成就労制度」の創設

技能実習に代わり、3年間で「特定技能1号」の水準まで外国人を育成する仕組みを導入

  • 本人意向による転籍(転職)の容認

一定の要件(同一事業所での1〜2年の就労、日本語能力試験A1相当合格など)を満たせば、同一分野内での転籍が可能

  • 永住許可の取消規定の追加

税金や社会保険料を故意に納付しない場合や、特定の入管法違反がある場合に、永住許可を取り消せるようルールを適正化

  • 不法就労助長罪の厳罰化

不法就労を助長した者への罰則を「5年以下の拘禁刑」または「500万円以下の罰金」に引き上げ
今回の改正により、外国人労働者にとっては「職場を選ぶ権利」が拡大して、キャリアの透明性が高まりました。一方で、受入れ企業にとっては、「外国人から選ばれる職場づくり」と、「より厳格な法令遵守(コンプライアンス)」の両立が、優秀な人材を確保し続けるための不可欠な条件となったといえます。

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外国人雇用にあたって受入れ企業が注意すべき点

外国人を雇用するにあたって注意すべきポイントは、以下のとおりです。

  • 在留資格の厳格な確認と不法就労防止体制の構築

外国人労働者の在留資格や適用される労働法規を正しく理解して、組織的に行う体制づくりが必要となる。また、永住者の税・社会保険料の未納が取消対象となったことを踏まえ、適切な公租公課の支払いを指導・管理も不可欠となる

  • 安全で健全な労働環境の提供

言語や文化の違いに配慮し、外国人労働者が安心して働ける職場環境を整える必要がある

  • 生活支援体制の構築

外国人労働者が新しい環境に適応できるよう、住居や生活面でのサポートを提供することが望ましい

  • コミュニケーションの確保

言語の壁を超え、労働者との効果的なコミュニケーションを確保する取り組みが重要になる

  • 相談体制の整備

労働者が抱える潜在的な問題や困難に対応できるよう、相談やサポート体制を整える必要がある

  • 人材流出(転籍)への対策

「一定期間後の転籍」が可能になるため、給与水準だけでなく、キャリアパスの提示や職場環境の改善など、離職を防ぐマネジメントがより大切になる

これらの点に留意して、外国人労働者との共生を目指した環境作りに努めることが、企業にとって大切です。

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入管法改正をわかりやすくでよくある5つの質問

最後に、入管法改正をわかりやすくでよくある質問を紹介します。それぞれについて詳しくみていきましょう。

質問1.入管法改正による外国人受け入れの現状は?

現在、日本の外国人受け入れは、これまでの「一時的な労働力の確保」から、「長期的な担い手としての育成と定着」へと、歴史的な転換期を迎えています。厚生労働省の発表(2024年10月末時点)では、外国人労働者数は約230万人を超え、過去最高を更新しました。

2026年は、2027年の全面施行に向けた移行期ですが、深刻な人手不足を背景に「特定技能」などの就労資格で働く外国人が増加し続けています。企業には、単なる労働力としてではなく、共に歩むパートナーとして「選ばれる職場づくり」に取り組む姿勢が強く求められています。

参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)|厚生労働省

質問2.特定技能によるメリット・デメリットは?

特定技能によるメリットとデメリットは以下のとおりです。

メリット

  • 労働力不足が深刻な分野での人材確保が可能
  • 外国人労働者が単純労働だけでなく、多様な業務に従事できる
  • 外国人労働者の活用により、企業の生産性が向上する
  • 人口減少が問題の地方においても人手不足の解消が期待される
  • 育成就労から特定技能1号・2号へつながるキャリアパスが確立され、将来の主戦力として期待できる
  • 2号へ移行すれば、在留期間の更新制限がなくなり、家族を呼び寄せて定着できる

デメリット

  • 特定技能労働者の転職が可能であるため、企業は人材の定着に課題を抱える
  • 労働者の流動性が高いため、長期的な人材確保が難しくなる可能性がある
  • 渡航費や日本語学習支援の負担が原則化され、企業側の初期費用が増加する傾向にある

デメリットとして挙げられた「転籍(転職)のリスク」や「コストの増加」は、裏を返せば、健全な労働環境を整えている企業にとっては、優秀な人材がより定着しやすくなります。制度の枠組みを理解した上で、自社に最適な受け入れ体制を構築することが成功への近道です。

質問3.「本人意向の転籍(転職)」が認められる具体的な条件とは何ですか?

2024年改正で新設される「育成就労制度」では、以下の条件を満たす場合にのみ本人の意向による転籍が認められます。

  • 同一の事業所での就労期間(分野により1〜2年)
  • 日本語能力(A1相当の試験合格など)
  • 技能評価試験の合格
  • 転籍先が同一の職種であること

また、転籍先の企業が適切な受け入れ体制を備えていなければなりません。企業には、人材流出を防ぎ「選ばれる」ための職場環境整備がこれまでより求められます。

質問4.外国人が難民として認められるには?

外国人が日本で難民として認められるには、一定の条件を満たし、適切な手続きを経なければなりません。日本で難民認定を受けるためには、申請者が人種や宗教、国籍、特定の社会的集団への帰属、または政治的意見などを理由に迫害されるおそれがあると認められる必要があります。

これらの条件に該当し、母国での迫害から逃れるために保護を求めている人々が申請の対象です。申請者は入国管理局で難民申請を実施し、その後、入管による詳細な審査が実施されます。

質問5.これまでの入管法の改正の歴史は?

日本の入管法は、国内での外国人の在留管理と難民認定に関する法律です。2000年以降、とくに目立った改正は以下のとおりです。

  • 2004年

在留資格取消制度や仮滞在許可制度が創設され、不法入国罪などの罰則が強化された

  • 2005年

密入国議定書の締結に伴い、罰則や退去強制事由が整備された

  • 2006年

個人識別情報の提供義務付けや特定活動による外国人受け入れの規定整備が実施された

  • 2009年

在留カードの導入や「技能実習」という新たな在留資格が設けられた

  • 2014年

「高度専門職」という新しい在留資格が創設され、既存の在留資格も見直しが行われた

  • 2016年

「介護」という新たな在留資格が生まれ、偽装滞在者対策としての罰則強化も実施された

  • 2018年

「特定技能1号・特定技能2号」という新しい在留資格が設けられ、外国人労働者の受け入れ枠が広がった

  • 2023年

難民認定手続中の送還停止に関する例外規定が設けられ、より詳細な審査が可能になった

  • 2024年

「育成就労法・改正入管法」成立され、技能実習制度の廃止が決定した

長年にわたり、国内外の状況変化に対応するため、何度も改正が実施されてきました。なった

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入管法改正をチャンスに変え、優秀な外国人材を確保しよう!

入管法(出入国管理及び難民認定法)は1951年に制定され、日本に入国または出国するすべての人々の活動を公正に管理して、難民の認定手続きを整備することを目的としています。

具体的には、入国や出国管理、在留資格の確認、不法滞在の防止、そして難民の認定プロセスの規定が該当します。この法律は、外国人だけでなく、外国人の雇用や受け入れに際して、企業や個人も遵守しなければなりません。

これまでの「技能実習制度」が廃止され、新たに「育成就労制度」が創設されるため、外国人材の受入れは「単なる労働力の確保」から「将来の主戦力としての育成」へと大きな転換期を迎えました。

2027年までの施行に向けた移行期間にある現在、企業には「選ばれる職場づくり」と「厳格な法令遵守」の両立がこれまでより求められています。

株式会社グローバルヒューマニー・テックでは、グローバル人材に対する総合的な生活支援を実施しており、特定技能外国人の受入れにおける豊富な経験と知識を有しています。ご相談・お見積りはもちろん無料です。まずはお気軽にお問合せください。⇒株式会社グローバルヒューマニー・テックに相談する

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