外国人が銀行口座を開設するのが難しい3つのケース|開設に必要な条件やステップをご紹介!

外国人が日本で銀行口座を開設するためには、滞在期間や住民票の提示などの条件があります。また、手続きの際に言語的なコミュニケーションが課題となり、口座開設が難しいと感じる場合も少なくありません。

本記事では、 外国人が銀行口座を開設するために必要な条件や必要なもの、銀行口座を開設するステップについて解説します。また、銀行口座を開設するのが難しいケースや口座開設に関連する注意事項についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

編集部

外国人が銀行口座を開設するために必要な条件

外国人が日本で銀行口座を開設するために必要な条件について解説します。

  • 仕事や留学で日本に6か月以上滞在している
  • 住民票を取得している

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.仕事や留学で日本に6か月以上滞在している

6か月未満の在留では「非居住者」と分類され、制限のある「非居住者円預金」口座のみの開設が可能です。一方で、一部の金融機関では、在留期間が3か月以上あれば普通口座の開設が許可される場合もあります。

また、銀行を通さずに資金移動業者を利用する方法で自国への送金は可能ですが、送金先の国や地域に制限があるため、事前の確認が欠かせません。

2.住民票を取得している

在留カードと住民票は、銀行口座開設の際に求められる欠かせない身分証明書です。ただし、在留期間が3ヶ月未満の外国人は、在留カードが発行されません。

そのため、住民登録ができず、住民票も取得できない状態となります。また、在留期間が6ヶ月以上あったとしても、住民票がなければ口座開設は難しいです。

なお、住民票を取得するには、市区町村の役所で手続きが必要であり、これには在留カードが必要になります。

外国人が銀行口座を開設する際に必要なもの

次に、外国人が銀行口座を開設する際に必要なものについて解説します。

  • 印鑑
  • 本人確認書類
  • 電話番号
  • 住所確認ができる書類

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.印鑑

多くの国では契約にサインを用いますが、日本では多くの公的、私的手続きで印鑑が欠かせません。そのため、外国人は日本に到着する前に、印鑑を用意しておく必要があります。

部屋の賃貸契約や携帯電話の契約など、さまざまな場面で印鑑が求められるため、事前の準備が役立ちます。もし、入国前に用意するのが難しい場合は、雇用主が印鑑を提供するのも1つの方法です。

2.本人確認書類

主に必要とされるのはパスポートや在留カードです。これらの書類は、氏名や現住所、生年月日を確認するために提出を求められます。

さらに、金融機関によっては追加の書類が必要になる場合もあるため、学生証や社員証、健康保険証など、身分を証明できる書類は可能な限り揃えておくとスムーズに口座開設が進みます。

なお、在留資格の申請に必要な手続きについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:【2024年最新版】特定技能の在留資格申請に必要な書類とは?申請の流れや注意点もご紹介! – 株式会社 グローバルヒューマニー・テック

3.電話番号

窓口での口座開設では電話番号が必要ない場合が多いものの、オンラインやアプリを利用した口座開設では電話番号が必要となるケースがほとんどです。

在留資格があれば、外国人でも日本国内で携帯電話を契約できます。なお、携帯電話の契約には在留カードやマイナンバーカード、パスポートなどの身分証明書が必要です。

また、契約には住所の記載が必要なため、日本に到着後は速やかに住所を登録し、住民票を取得する必要があります。す。

4.住所確認ができる書類

本人が住んでいる住所を証明するために不可欠で、住民票やマイナンバーカード、パスポートが一般的に用いられます。また、電気やガス、水道、固定電話などの請求書や領収書も住所の証明として利用できます。

ただし、携帯電話の請求書については、銀行によっては住所証明として認められないケースがあるため、ほかの書類を用意しておくのが確実です。

外国人が銀行口座を開設する際の3つのステップ

次に、外国人が銀行口座を開設する際のステップについて解説します。

  • 口座を開設したい店舗の窓口に行く
  • 申込の手続きを実施する
  • キャッシュカードを受け取る

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.口座を開設したい店舗の窓口に行く

事前に必要な書類を準備し、生活圏内や職場に近い支店を選ぶと便利です。銀行によっては事前に予約が可能なオンラインサービスを提供している場合があり、予約を利用すると待ち時間なく手続きを進められます。

ただし、外国語対応の有無は支店によって異なるため、事前に確認することが大切です。加えて、完全オンラインでの口座開設が可能な銀行も増えており、訪問前に銀行ごとの手続き方法を確認し、最適な方法を選択するようにしましょう。

2.申込の手続きを実施する

銀行窓口でスタッフの指示に従い、必要な情報を提供しましょう。氏名や住所、生年月日の記入は必須であり、これらの情報は日本語での記載が求められる場合が多いため、日本語表記に慣れておく必要があります。

また、キャッシュカード用の暗証番号も事前に決めておいてください。日本の銀行では、マネーロンダリング防止のための本人確認が厳格に実施されているため、手続きには正確さが求められます。

3.キャッシュカードを受け取る

口座開設が完了すると、キャッシュカードは登録した自宅住所に郵送されます。このカードが手元に届くまでの時間は、銀行によって異なるため、口座開設の際に受け取りについて確認しておきましょう。

また、多くの金融機関がオンラインでの口座開設の手続きを提供しているため、これらを利用する場合は、カードの受け取り方法についての選択肢があるかもしれません。

外国人が銀行口座を開設するのが難しい3つのケース

次に、外国人が銀行口座を開設するのが難しいケースについて解説します。

  • 日本語でのコミュニケーションが難しい
  • 信用情報や金融履歴が不足している
  • 自宅または勤め先から離れている

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.日本語でのコミュニケーションが難しい

日本の銀行では手続きに関する説明や書類の記入が日本語で実施されるため、言語の壁は手続きを複雑にし、誤解を招くリスクがあります。

さらに、日本固有の銀行業務のルールや慣習への理解不足も、口座開設のプロセスを難しくする要因です。このような状況では、通訳サービスの利用や、日本語が堪能な友人の同伴などが有効な対策です。

2.信用情報や金融履歴が不足している

日本国内でのクレジットカードの使用やローンの契約履歴など、信用情報が十分にないと、銀行側は顧客の信用度を判断しづらくなります。また、金融取引の履歴がないことは、支払い能力に対する不安を生じさせる可能性があり、これが口座開設の壁になるケースもあります。

とくに、新しく日本に来た外国人は、これらの情報がないために口座開設に苦労するケースが少なくありません。そうした場合は、外国人に対する理解が深く、口座開設のハードルが比較的低い銀行を選ぶようにしましょう。

3.自宅または勤め先から離れている

一般的には、口座開設を申し込む顧客が地元の住民であることが望ましいケースが多く、自宅や職場の近くにある支店での開設を推奨しています。たとえば、東京に住んでいる人が北海道の銀行で口座を開設しようとした場合、申し込みが受け付けられない可能性が高いです。

このようなポリシーは、本人確認や将来的な取引の便宜を図るために設けられています。特別な事情がない限り、生活圏内での口座開設を検討してください。

外国人の銀行口座開設に関連する注意事項は3つ

次に、外国人の銀行口座開設に関連する注意事項について解説します。

  • 届出した在留カードの在留期間を超過した場合は制限がかかる
  • 犯罪行為に巻き込まれないように注意する
  • 帰国する際に解約を忘れない

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.在留期間を超過した場合は制限がかかる

銀行では、在留期間が超過している場合、口座に制限を設けるケースがあります。これは、金融機関が不正な資金の流れを防ぐための措置です。

制限の内容は、出金や入金などの取引ができなくなるケースが一般的です。在留期間が更新された場合や、新たな在留資格を取得した際には、速やかに銀行に新しい在留カード情報を更新するよう依頼する必要があります。

2.犯罪行為に巻き込まれないように注意する

口座の不正な売却や譲渡だけでなく、免許を持たずに銀行業務を実施する「地下銀行」、無登録で貸金業を営む「ヤミ金融」、資金の出所や所有者を隠す「マネー・ロンダリング」などは、いずれも違法行為です。

また、偽造されたクレジットカードやキャッシュカードの使用も犯罪に該当します。外国人労働者がこれらの罠に陥らないよう、企業は十分な注意喚起をすべきです。

3.帰国する際に解約を忘れない

口座の残高が0円であっても、正式な解約手続きを実施する必要があります。近年、帰国する外国人が自身の銀行口座を他人に売却または譲渡し、その口座が犯罪に利用されるケースが増えています。

口座が犯罪に使われた場合、本人も法的な責任を問われる可能性があるため、口座の売却や譲渡を行ってはなりません。

解約するには、通帳やキャッシュカード、在留カード、印鑑を持って銀行窓口を訪れる必要があります。もし、将来的に日本に戻ってくる予定がある場合は、銀行に相談して最適な手段を選びましょう。

外国人の銀行口座開設が難しいでよくある3つの質問

最後に、外国人の銀行口座開設が難しいでよくある質問を紹介します。

  • 質問1.外国人が銀行口座を開設する際の名義の表記方法は?
  • 質問2.外国人の口座開設におすすめの銀行は?
  • 質問3.口座開設の手続きにかかる期間の目安は?

それぞれについて詳しくみていきましょう。

質問1.外国人が銀行口座を開設する際の名義の表記方法は?

外国人が日本で銀行口座を開設する際、名義の表記方法は在留カードに基づきます。通常、通帳にはアルファベットでの名前が記載されているため、キャッシュカードにはカタカナの名前が使用されるのが一般的です。

これは、日本人の口座でもキャッシュカードの名前がカタカナで表記されるのと同様です。漢字で記載されていれば漢字、アルファベットであればアルファベットを使用します。

しかし、この規則は銀行によって多少の違いがあるため、具体的な名義の表記方法については、口座を開設予定の銀行に直接確認してください。

質問2.外国人の口座開設におすすめの銀行は?

外国人が日本で銀行口座を開設する際におすすめの銀行は以下のとおりです

  • ゆうちょ銀行

在留期間が6ヶ月以内の外国人でも口座開設がしやすい。全国に広がる店舗とATMネットワークがあり、14言語での外国人向けサービス提供している

  • 三菱UFJ銀行

日本国内の大手銀行の1つで外国人でも口座開設がしやすい。ただし、スマート口座開設の利用は不可となっている

  • SBI新生銀行

外国人でも口座開設がしやすいが、入国後6ヶ月未満の場合や特定の在留資格の場合には制限がある

これらの銀行は、外国人の口座開設ニーズに対応したサービスを提供しており、多言語でのサポートも整っています。

質問3.口座開設の手続きにかかる期間の目安は?

店舗で申し込む場合は、手続きに30分〜1時間程度を見積もっておくと安心です。一方、オンラインでの申し込みの場合は、15分〜30分程度で手続きが完了します。

しかし、準備する情報やネット環境によってはもう少し時間がかかる場合もあります。申し込み後、口座が実際に開設され、利用可能となるまでの期間は、一般的に1週間〜2週間程度です。

これには、申込情報の確認や必要書類の処理、キャッシュカードの発行と郵送に要する時間を含んでいます。

まとめ

本記事では、外国人が銀行口座を開設するために必要な条件や必要なもの、銀行口座を開設するステップ、銀行口座を開設するのが難しいケースや口座開設に関連する注意事項について解説しました。

外国人が日本で銀行口座を開設するためには、日本での在留期間が6か月以上経過している必要があります。また、口座を開設する際には、住民票の提示も必要であるため、在留カードをもとに市区町村の役所での手続きが不可欠です。

しかし、これらを準備していても、コミュニケーションの問題や信用情報の乏しさから開設が難しい場合もあります。外国人本人だけでは、適切に対処できない可能性もあるため、雇い入れる企業側のサポートが欠かせません。

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