深刻な社会問題となっている「労働力不足」。少子高齢化や企業と求職者のミスマッチなどを背景に、多くの企業が事業継続に大きな影響を受けています。この深刻な労働力不足を解消するためには、どのような対策を講じるべきなのでしょうか?

本記事では、労働力不足の現状と原因、そして企業が取り組むべき7つの対策を詳しく解説します。さらに、よくある質問にもお答えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

編集部

日本における労働力不足の原因と背景とは?

日本では、深刻な労働力不足が多くの業界で課題となっています。その背景には、少子高齢化と企業と求職者のミスマッチという2つの大きな要因が存在します。

少子高齢化

総務省|令和4年版 情報通信白書|生産年齢人口の減少

参考:総務省|令和4年版 情報通信白書|生産年齢人口の減少

総務省の統計によると、日本の総人口は今後減少傾向が続くと予測されており、特に生産年齢人口の減少が顕著です。1990年代以降、15〜64歳の人口は減少の一途をたどり、高齢化の進行と相まって社会構造に大きな影響を与えています。

今後は労働力の確保が重要な課題となり、高齢者の就業促進や、多様な働き方の導入が求められます。企業や社会全体で、労働環境の柔軟性を高める取り組みが不可欠となるでしょう。

企業と求職者のミスマッチ

日本では、一部の業界で深刻な人手不足が続く一方、他の業界では求職者が職を見つけにくい状況が生じています。これは、企業が求めるスキルや経験と、求職者の能力や希望する労働条件が一致しないことが一因です。

特に、技術革新が進む中で、特定の専門知識を持つ人材への需要が高まっていますが、それに対応できる人材の供給が追いついていません。今後は、職業訓練の強化やキャリアチェンジ支援が重要な課題となるでしょう。

労働力不足が著しい業界は5つ

深刻な労働力不足に見舞われている業界として、以下の5つが挙げられます。

1.医療・福祉

介護業界では、高齢化の進行に伴いサービスの需要が増加しているにもかかわらず、人材確保が大きな課題となっています。特に、賃金水準の低さや労働環境の厳しさが敬遠される要因となり、就職希望者の増加にはつながっていません。

また、介護職のキャリアパスが明確でないことや、職場の運営体制の整備が不十分であることも人材不足を深刻化させる要因とされています。今後は、労働条件の改善や教育制度の充実が求められるでしょう。

関連記事:介護業界の課題とは?介護における社会問題や課題解決に向けた取り組みをご紹介します!

2.運輸業・郵便業

建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制|厚生労働省

参考:建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制|厚生労働省

近年、オンラインショッピングの普及により物流の需要は増加の一途をたどっています。しかし、ドライバーの確保が難しく、特に高齢化が進む中で人材不足が深刻化しています。

さらに、2024年4月からの「時間外労働時間の上限規制」により、労働時間の短縮が求められ、配送業務の効率化が急務となっています。こうした状況に対応するため、企業は労働環境の改善やDXの推進、自動運転技術の活用など、新たな対策を講じる必要があるでしょう。

3.建設業

建設業界では、インフラの維持・更新に伴う需要の増加が見込まれる一方で、人手不足が深刻な課題となっています。特に、技能労働者の高齢化が進み、若手の確保が難しい状況です。

現場の労働環境は厳しく、長時間労働や休日の取得のしづらさが敬遠される要因となっています。また、高度な技術を要する職種では、技術継承の問題も浮上しています。

こうした課題に対応するため、企業には労働環境の改善やデジタル技術の導入など、抜本的な改革が求められるでしょう。

4.情報サービス

近年、DXの推進が各業界で進む中、情報サービス業では専門的なIT人材の確保が課題となっています。特に、最先端技術を扱うスキルを持つ人材が不足しており、企業の成長を阻む要因の一つとなっています。

IT分野では、高度な知識と実務経験が求められるため、新卒採用だけでなく、中途採用や社内教育の充実が不可欠です。また、外部人材の活用やリスキリングを支援する仕組みの整備も重要となるでしょう。企業は、長期的な視点で人材育成を進める必要があります。

5.旅館・ホテル

宿泊・飲食サービス業では、観光需要の回復に伴い人手不足が顕著になっています。特に、観光客の増加に対応するためのスタッフ確保が困難であり、慢性的な労働力不足が課題となっています。

長時間労働や不規則なシフトが多い業界のため、離職率が高く、安定した人材の確保が難しい状況です。また、給与水準と業務負担のバランスが取れていないことも、新規就職希望者の減少につながっています。労働環境の改善や業務効率化を進めることが、今後の持続的な成長には不可欠でしょう。

労働力不足がおよぼす企業への悪影響

人手不足が長期化すると、企業の経営や労働環境に深刻な影響を与えます。特に、従業員一人あたりの業務負担が増加することで、長時間労働が常態化し、休暇の取得が難しくなるなど、働きやすさが損なわれます。

その結果、労働意欲の低下や離職率の上昇を招き、さらに人材確保が困難になる悪循環に陥る可能性があります。また、新規事業の展開やサービス向上の余裕がなくなり、企業の成長機会を失うリスクも高まります。

労働力不足の解消に向けて取り組むべき対策は7つ

深刻化する労働力不足は、多くの企業にとって喫緊の課題です。解消には、多角的なアプローチが必要です。ここでは、企業が取り組むべき7つの対策を紹介します。

1.賃金や福利厚生など労働条件の改善する

労働条件の改善は、人材確保の鍵となります。特に、介護や運送業などでは賃金の低さが就職希望者の減少につながっており、給与水準の引き上げが重要です。

また、福利厚生の充実や職場環境の整備を進めることで、働きやすい職場づくりが求められます。さらに、柔軟な働き方を導入し、副業を認めることで従業員のモチベーション向上につながる可能性もあります。企業は労働環境を見直し、魅力ある職場づくりに取り組むことが重要です。

2.業務の効率化を図る

日本企業において、丁寧な対応を重視するあまり、必要以上の業務を行ってしまう「過剰品質」が課題となることがあります。人手不足が進む中、限られたリソースで最大限の成果を出すには、業務の効率化が不可欠です。

業務プロセスを見直し、不要な手順や過剰な作業を削減することで、生産性の向上が期待できます。また、業務フローを可視化して外部の視点を取り入れることで、新たな改善策が見つかることもあるため、柔軟な対応が求められます。

3.アウトソーシングを活用する

人手不足が深刻化する中、業務効率を向上させる手段としてアウトソーシングの活用が注目されています。特に、バックオフィス業務や事務処理など、売上には直結しないものの不可欠な業務を外部に委託することで、社内のリソースをコア業務に集中させることが可能です。

外部の専門的な知識やノウハウを活用することで、業務の質を維持しながら効率化を図ることができます。適切な業務を見極め、柔軟にアウトソーシングを活用することが重要です。

4.DXを推進する

デジタル技術を活用し、業務の効率化やビジネスモデルの変革を進めるDXは、多くの企業にとって重要な取り組みとなっています。特に、人手不足が深刻化する中で、デジタルツールを導入することで作業の自動化が進み、従業員の負担を軽減できるでしょう。

例えば、クラウドシステムを活用すれば、情報共有が円滑になり、業務スピードが向上します。DXの推進は、業務の効率化だけでなく、柔軟な働き方を可能にし、企業の競争力向上にもつながるでしょう。

5.人材の採用を強化する

若手人材の採用は、人手不足を解消する上で重要な要素となります。効果的な採用を進めるためには、企業が求める人材像を明確にし、応募者に対して魅力的な情報を提供することが不可欠です。

特に、若手求職者は「成長できる環境」や「やりがい」を重視する傾向があるため、これらの要素を強調することが重要です。また、求人広告や紹介制度だけでなく、ダイレクトリクルーティングを活用することで、優秀な人材へのアプローチを強化し、採用の可能性を高めることができます。

6.女性やシニア層が活躍できる環境にする

人手不足の解消には、女性やシニア層が活躍できる職場環境の整備が欠かせません。柔軟な働き方を導入することで、育児や介護と両立しながら働ける環境を提供できます。

また、シニア層は長年の経験や知識を活かせる職種で戦力として期待されており、特に警備や清掃、介護などの分野で活躍の場が広がっています。企業側も、短時間勤務の導入や業務内容の調整を行うことで、多様な人材が働きやすい環境を整備し、労働力の確保につなげなければなりません。

7.外国人材を雇用する

労働力不足を補う方法の1つとして、外国人労働者の採用が挙げられます。意欲的な外国人労働者が増えており、特に建設業や介護業、製造業などで採用が進んでいます。

彼らを受け入れることで、新たな視点やスキルが企業にもたらされるだけでなく、業務の効率化や新たな市場の開拓につながるでしょう。ただし、言語の壁や文化の違いを考慮し、教育制度やサポート体制を整えることが重要です。適切な環境づくりが、企業と外国人労働者双方にとっての成功につながります。

外国人採用の相談に「グローバルヒューマニー・テック」がおすすめな理由

外国人採用の相談に「グローバルヒューマニー・テック」がおすすめな理由

株式会社グローバルヒューマニー・テックでは、グローバル人材に対する総合的な生活支援を実施しています。豊富な実績による盤石なサポート体制とIT技術をかけ合わせた独自のノウハウで、外国人労働者の支援プラットフォームを充実させています。

外国人材の安心安全な採用支援はもちろん、就業支援や生活支援を通じて人手不足をグローバルソリューションで解決するのが私たちの使命です。⇒株式会社グローバルヒューマニー・テックに相談する

労働力不足でよくある3つの質問

労働力不足でよくある質問として下記のようなものがあります。

質問1.外国人材を採用するには?

日本で外国人を雇用する際には、就労可能な在留資格を持っているかを確認する必要があります。在留資格にはさまざまな種類があり、「永住者」「定住者」「日本人の配偶者」などの資格を持つ場合は就労に制限がありません。

しかし、それ以外の就労ビザでは職種や業種に制限が設けられている場合が多く、例えば「介護」の資格では介護福祉士としての業務に限られます。適切な在留資格を確認し、法令を遵守した採用を行うことが重要です。

質問2.労働力不足に陥りやすい企業の特徴は?

企業が人手不足に陥る要因は業界や職種だけでなく、職場環境や制度にも大きく影響されます。特に、業務量と賃金のバランスが取れていない企業は、従業員の不満が蓄積しやすく、離職率が高くなる傾向があります。

また、業務の効率化に消極的で、時代に合わない働き方を続ける企業は、従業員のモチベーションを低下させる要因となりかねません。さらに、公平な人事評価が行われない職場では、優秀な人材ほど転職を検討しやすくなり、慢性的な人手不足に陥るリスクが高まります。

質問3.外国人人材の採用の流れは?

外国人材を採用する際は、適切な手順を踏むことが重要です。まず、求人を募集し、書類選考や面接を経て内定を出します。

その後、労働契約を締結し、在留資格認定証明書の取得など必要な手続きを進め、入国後に雇用開始となります。また、外国人労働者がスムーズに働けるよう、住居や生活環境の整備も必要です。求人はハローワークや紹介会社を通じて行うことができ、専門の派遣会社を利用すれば手続きの負担を軽減できるため、効率的な採用が可能となります。

まとめ

深刻化する労働力不足は、日本経済にとって大きな課題です。少子高齢化や企業と求職者のミスマッチなどさまざまな要因が絡み合い、特に医療・福祉、運輸、建設、情報サービス、旅館・ホテルといった業界で深刻化しています。

企業は、賃金・福利厚生の改善、業務効率化、アウトソーシング、DX推進、採用強化、女性・シニアの活躍推進、外国人材の雇用といった多角的な対策を講じる必要があります。労働力不足でお困りの際は、外国人採用支援など、適切なサービスの活用も検討しましょう。

なお、株式会社グローバルヒューマニー・テックでは、グローバル人材に対する総合的な生活支援を実施しており、外国人の受け入れにおける豊富な経験と知識を有しています。ご相談・お見積りはもちろん無料です。まずはお気軽にお問合せください。⇒株式会社グローバルヒューマニー・テックに相談する

編集部