
資格外活動許可とは、現に有する在留資格に属さない報酬を受ける活動を行うために必要な許可のことです。外国人を雇用する際に資格外活動の最新情報を正確に把握したいと考えるのは、コンプライアンスを重視する企業として当然の心理です。
制度の厳格化が進む中で、曖昧な管理を続けていると企業側も重い罰則を受けるリスクがあるため、主体的な情報収集と対策が欠かせません。
以下の手順の実行により、適正な管理体制の構築が可能になります。
- ステップ①現在の在留資格と活動内容を確認
- ステップ②必要書類を揃えて入管へ申請
- ステップ③週28時間の労働時間を厳守
- ステップ④長期休業期間の証明書を保管
- ステップ⑤在留カードの裏面を定期的に確認
この記事では、資格外活動許可の定義や最新の見直し動向、そして適切な申請や管理の手順について包括的に解説します。


資格外活動許可の見直しによる変更点
近年、日本政府は「育成就労制度」の導入を決定し、外国人材の受け入れ管理を抜本的に見直しています。これに伴い、資格外活動許可の運用も透明性が高まり、不正就労への監視がこれまで以上に厳格化されました。
とくに、在留カードとマイナンバーカードの一体化により、行政側がリアルタイムで就労状況を把握できる仕組みが整いつつあります。企業は「知らなかった」では済まされない環境になるため、制度の変化を正しく理解し、先行して対策を講じなければなりません。
入管当局による実態調査の頻度も高まっており、管理不徹底が不法就労助長罪に直結するリスクも否定できません。最新のガイドラインをチェックし、社内の受け入れ態勢をアップデートし続けることが、外国人採用の鍵となります。
なお、育成就労制度については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
関連記事:育成就労制度とは?導入に向けたステップと技能実習との違い – 株式会社 グローバルヒューマニー・テック

不法就労を防ぐ具体策
不法就労を防ぐには、本人の自己申告に依存せず、企業が主体的に証拠を確認する仕組みを構築しましょう。ギグワークに従事しているケースも労働時間の合算対象となるため、他社での稼働状況を毎月書面で申告させてください。
適切な管理体制の維持には、クラウド型の管理ツールなどを活用して組織的に情報を共有することが有効です。
◆不法就労防止の管理ポイント表
| リスク要因 | 発生しやすいケース | 実施すべき対策 |
| 時間超過 | 留学生や家族滞在者の「資格外活動」。複数のアルバイトを掛け持っている場合。 | ・他社勤務状況の書面申告(ダブルワーク確認) ・週28時間以内の徹底管理 |
| 職種違反 | 「技術・人文知識・国際業務」等の資格者が、単純作業や風俗営業店で勤務する場合。 | ・自社の業種と業務内容の再確認 ・在留資格の許可範囲と実務の照合 |
| 期限切れ | 在留期間の更新手続きを失念し、オーバーステイ状態で就労継続する場合。 | ・期限3ヶ月前のアラート設定 ・在留カード原本の定期的な確認 |
| 在留資格不適合 | 転職してきた労働者の在留資格が、自社の業務内容に合っていない場合。 | ・採用時に就労資格証明書の提出を推奨 ・在留カードの裏面(資格外活動許可)の確認 |
コンプライアンスの徹底が、結果として外国人材の在留資格を守り、自社の安定した労働力確保を可能にします。不法就労の発生は企業のブランドイメージを損なうだけでなく、経営に多大な悪影響をおよぼすため、万全の体制で臨んでください。

資格外活動許可を取得し運用するための5つのステップ
資格外活動許可の手続きをミスなく進め、就労開始後も法規制を遵守するためには、体系的な運用フローの構築が不可欠です。以下の5つのステップの順守により、外国人スタッフが安心して働ける環境を整備できます。
ステップ①現在の在留資格と活動内容を確認
まず、対象となる外国人が持っている在留資格の種類を確認し、その資格が資格外活動許可の対象であるかを判別します。たとえば「留学」や「家族滞在」は包括的な許可を得やすいですが、特定の専門職の資格では個別の審査が必要になるため、入念な確認が必要です。
在留カードを直接手に取り、在留期限が十分に切れていないか、また過去に資格外活動の取り消しを受けていないかをチェックしてください。
ステップ②必要書類を揃えて入管へ申請
申請は本人の居住地を管轄する地方出入国在留管理局で行いますが、最近ではオンライン申請の利用により、窓口へ出向く手間がかかりません。
必要となる書類は「資格外活動許可申請書」のほか、パスポートや在留カードの提示が必要です。審査には通常、数週間から1ヶ月程度の期間を要するため、雇用開始のスケジュールには十分な余裕を持たせておきましょう。
ステップ③週28時間の労働時間を厳守
資格外活動許可において、最も厳格に守らなければならないルールが「週28時間以内」という労働時間の制限です。この28時間は残業時間も含めた合計時間であり、1分でも超過すれば不法就労とみなされる可能性があるため、厳密な打刻管理が求められます。
変形労働時間制を採用している企業であっても、この「週28時間」の枠を超えることは認められないため、シフト作成の段階でセーフティネットを設けてください。
ステップ④長期休業期間の証明書を保管
留学生の場合、夏休みなどの学校が定めた長期休業期間中に限り、1日8時間(週40時間)まで働くことが認められます。ただし、この特例を適用するためには、その期間が学校の学則で定められた「長期休業」であることを証明する書類の提出や保管が必要です。
本人が「今は休みだ」と言っているからといって、裏付けなしに労働時間を増やしてはいけません。必ず学則のコピーや在学証明書を回収してください。
ステップ⑤在留カードの裏面を定期的に確認
資格外活動許可の有無や内容は、在留カードの裏面にある「資格外活動許可欄」に記載されるため、定期的に原本を確認する習慣をつけましょう。
在留資格の更新を行った直後は、新しいカードにも正しく許可のスタンプが押されているか、あるいは「許可書」が別途発行されていないかを点検してください。
カードの有効期限が近づいている場合は、在留資格の更新申請と同時に資格外活動許可の再申請を行うよう、本人に促す必要があります。

資格外活動許可を持つ外国人雇用における3つの注意点
資格外活動許可を持つ外国人の雇用には多くの利点がありますが、一方で管理上の負担や法的リスクという側面も無視できません。見直しが進む現状において、企業が直面する可能性のある3つの注意点について、事前に対策を講じておく必要があります。
注意点①管理コストの増加
一般的な日本人従業員の勤怠管理に加え、外国人特有の労働時間制限や在留期限の管理を行うには、相応の手間が発生します。とくに複数の職種で雇用している場合や、シフトの入れ替わりが激しい現場では、管理漏れを防ぐためのシステム導入費用などのコストもかさみます。
さらに、法改正が行われるたびに社内規定やマニュアルをアップデートしなければならず、担当者の教育コストも継続的に発生します。
なお、おすすめの外国人雇用管理システムについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
関連記事:【2025年最新版】外国人雇用管理システムのおすすめ10選|主な機能や選び方もご紹介! – 株式会社 グローバルヒューマニー・テック
注意点②不法就労助長罪の罰則リスク
もし従業員が上限時間を超えて働いていた場合、企業側は「不法就労助長罪」に問われ、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金が科される可能性があります。
「本人が嘘をついていた」という言い訳は通用しにくいため、企業には過失がなかったことを証明するための徹底した管理記録が求められます。
万が一、検挙されるようなことがあれば、企業の社会的信用は失墜し、今後の外国人採用が困難になるという致命的なダメージを受けます。
なお、不法就労助長罪の事例について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
関連記事:【2025年最新】不法就労助長罪の事例3選|外国人を雇用する際に知っておきたいポイントもご紹介! – 株式会社 グローバルヒューマニー・テック
注意点③在留資格更新への悪影響
従業員が資格外活動のルールを破っていると、その本人の在留資格更新が不許可となり、結果として貴重な人材を失うことになります。オーバーワーク(働きすぎ)を理由に更新が認められないケースは非常に多く、本人が日本でのキャリアを断念せざるを得ない状況に追い込まれます。
企業としては、せっかく教育した人材が法的な理由で働けなくなることを防ぐためにも、厳格な指導とモニタリングを継続しなければなりません。

資格外活動許可によって人材不足を解消する3つのメリット
注意点を正しく理解し、適切な管理体制を構築できれば、資格外活動許可を活用した採用は企業にとって大きな力となります。人手不足が深刻化する日本社会において、この制度の戦略的活用によって得られる3つのメリットを紹介します。
メリット①人手不足の解消
サービス業や物流、製造現場など、労働力が不足している業界において、留学生や家族滞在者は非常に貴重な労働力となります。週28時間という制限はあるものの、短時間のシフトを組み合わせれば、忙しい時間帯のオペレーションを安定させることが可能です。
真面目で学習意欲の高い外国人の雇用により、現場の活気が増したり、労働力不足による機会損失を最小限に抑えたりすることができます。
メリット②多様な人材の活用
外国人を組織に迎え入れることで、社内の多様性が高まり、新しい視点やアイデアが生まれるきっかけとなります。異文化に触れることで日本人従業員の意識も変わり、グローバルな市場に対応できる柔軟な組織文化が醸成されるはずです。
言葉の壁を感じたりする場面もありますが、それを乗り越えるためのコミュニケーションの工夫が、組織全体のマネジメント能力を向上させます。
メリット③採用コストの抑制
資格外活動許可を持つ外国人は既に日本に在住しているため、海外から新たに呼び寄せる場合と比べて、渡航費用や煩雑な入国手続きのコストを抑えられます。
地元の大学や日本語学校と連携して採用活動を行うことで、ミスマッチの少ない人材を比較的スムーズに確保することが可能です。
初期の教育コストはかかりますが、長期的に安定した雇用を実現できれば、結果として全体の採用単価を抑えることができます。

資格外活動許可の基本条件と申請時に知っておくべき重要事項
資格外活動許可を取得するためには、いくつかの前提条件を満たしている必要があり、これを無視して申請しても許可は下りません。まず、本来の在留資格に基づく活動(例えば留学なら学業)が、しっかりと行われていることが大前提となります。
出席率が悪かったり、成績が著しく低かったりする場合は、本来の目的を放棄して働こうとしているとみなされ、許可が拒否されることがあります。
次に、従事しようとする業務の内容が、善良の風俗を害するおそれのないものであることも必須の条件です。具体的には、パチンコ店、ゲームセンター、スナック、キャバクラなどの風俗営業法が適用される場所での勤務は、一切認められません。
最後に、受け取る報酬が適正であることも重要であり、地域の最低賃金を下回るような条件での雇用は、法令違反として厳しくチェックされます。

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資格外活動許可の見直しや申請でよくある3つの質問
資格外活動許可の制度に関して、実務上で質問が多い項目をピックアップして回答します。それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
質問①週28時間の計算はいつからいつまでの期間で計算するのですか?
週28時間の計算は、どの7日間を切り取っても常に28時間以内である必要があるため、いわゆる「移動平均」での管理が求められます。たとえば、水曜日から翌週の火曜日までの合計が28時間を超えていれば、それは明確な違反として扱われます。
特定の曜日を起算点にするのではなく、常に直近1週間の稼働状況を把握して、オーバーワークが起きないように調整しなければなりません。
質問②見直しによって留学生が働ける時間に変化はありましたか?
2026年現在の運用においても、留学生が働ける基本的な時間は「週28時間以内」で変わりはありません。しかし、管理体制の見直しにより、出席率の低下や成績不振が確認された場合、資格外活動許可の更新が認められないケースが厳格化されています。
単に時間を守るだけでなく、本来の目的である学業との両立ができているかが、より厳しく審査されるようになっている点に注意してください。
質問③複数の会社でアルバイトをする場合の手続きはどうなりますか?
複数の会社で働く場合であっても、包括的な許可を得ていれば、新たに会社ごとに申請を行う必要はありません。ただし、すべての職場での労働時間を合算して週28時間以内にする責任は、本人だけでなくそれぞれの雇用主にもおよびます。
副業を認める場合は、他社でのシフト表を提出させたり、合算時間を記録したりすることで、法的リスクを回避する対策を講じてください。

正しい知識で外国人スタッフの雇用を守ろう!
資格外活動許可の見直し動向を把握し、適切な管理を行うことで、不法就労のリスクを最小限に抑えることができます。法令を遵守した雇用は、外国人スタッフとの信頼関係を深めるだけでなく、貴社の安定した労働力確保と健全な経営にもつながるはずです。
以下の5つのステップを実務に落とし込み、明日から安心できる受け入れ体制を整えていきましょう。
- ステップ①現在の在留資格と活動内容を確認
- ステップ②必要書類を揃えて入管へ申請
- ステップ③週28時間の労働時間を厳守
- ステップ④長期休業期間の証明書を保管
- ステップ⑤在留カードの裏面を定期的に確認
補足として、本人の在留資格更新時には、資格外活動許可も同時に失効するため、必ずセットで再申請を行うよう周知しなければなりません。まずは社内の在留カード管理リストを作成し、期限や許可の有無を一覧化することから始めてください。
なお、株式会社グローバルヒューマニー・テックでは、グローバル人材に対する総合的な生活支援を実施しており、外国人の受け入れにおける豊富な経験と知識を有しています。ご相談・お見積りはもちろん無料です。まずはお気軽にお問合せください。⇒株式会社グローバルヒューマニー・テックに相談する



