ベトナム人の採用を検討している方で、ベトナム人の特徴について詳しく知りたいという方もおられるのではないでしょうか。ベトナム人と一緒に働く場合、人柄や文化の特徴を知っておけば、よりスムーズなコミュニケーションや信頼関係の構築が可能です。

本記事では、ベトナム人の人柄や主な文化、特徴を理解して上手に仕事を進めるコツをご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

編集部

ベトナムとはどのような国?

まずは、ベトナムとはどのような国なのかについて解説します。

  • 国土面積や首都
  • 母国語
  • 信仰や宗教
  • 民族服
  • 料理
  • 通貨

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

国土面積や首都

ベトナムは、南シナ海に面して南北に長く広がる国で、総面積は約32.9万km²です。これは、日本の九州を除いた面積とほぼ同じ大きさです。

ベトナムの正式名称はベトナム社会主義共和国で、2022年時点の人口は約9,946万人に達しています。首都ハノイは北部に位置し、中国文化の影響が強く感じられる街です。

一方、南部のホーチミンは、活気に満ちた陽気な都市として、多くの観光客に人気があります。日本からのアクセスも便利で、直行便が運航しています。

母国語

ベトナムは、キン族を中心に50以上の少数民族が共存する多民族国家で、公用語はキン族が使用するベトナム語です。ベトナム語は母音が12個あり、6種類の声調を使うため、発音が非常に難しい点が特徴です。

さらに、日本語と異なる部分が多いため、日本人にとって習得が難しい言語と言われています。また、フランス統治の影響を受け、現在はアルファベット表記が使われ、漢字由来の言葉も多く残っています。

信仰や宗教

2009年の国勢調査では約8割が「無宗教」と回答しているため、ベトナムでは宗教を持たない人が多いのが特徴です。宗教を信仰している人々のなかでは、仏教徒が大半を占めており、ほかにはカトリックやカオダイ教、ホアハオ教といった宗教も存在します。

また、ベトナムでは信仰の自由が認められており、特定の宗教に強く依存しない国民性が見られます。

参考:ベトナム地方自治|CLAIR(クレア)一般財団法人自治体国際化協会

民族服

日常生活ではベトナムの人々は一般的に洋服を着用していますが、伝統的な民族衣装として「アオザイ」が知られている場合が多いです。アオザイは、スリットが深く入った長い上着で、女性が着る姿が印象的ですが、男性用のアオザイも存在します。

この服装は、結婚式や重要な式典などでよく用いられ、正式な場面での正装としての役割を持っています。また、ベトナムを訪れる外国人観光客にも人気が高い民族衣装です。

料理

東南アジアの旅行では、食文化を楽しむことが魅力の1つですが、ベトナム料理は繊細な味わいで人気があります。米粉を使った麺料理「フォー」はベトナムの代表的な料理で、牛肉や鶏肉のスープと一緒に楽しめ、軽やかな味わいが特徴です。

さらに、フランスパンを使ったサンドイッチ「バインミー」や、生春巻き、ベトナム風のクレープ「バインセオ」などがあります。フランス文化とベトナムの伝統が融合した料理が豊富で、手軽に楽しめる点も魅力です。

通貨

ベトナムの通貨は「ドン」で、2020年3月時点では1ドンがおよそ0.0047円に相当します。日本と同様に、ベトナムではチップの習慣がほとんどなく、表示された料金のみを支払えば問題ありません。

また、ベトナムでは「付加価値税」という税金があり、商品価格には基本的に内税として含まれていますが、外税の場合はレシートで詳細が確認できます。旅行者にとっても、価格が明瞭で安心して買い物を楽しめる環境が整っています。

ベトナム人の人柄や主な文化の特徴は3つ

次に、ベトナム人の人柄や主な文化の特徴について解説します。

  • 勤勉で教育を重んじる
  • 短期的な結果を求める人が多い
  • 社会進出している女性が多い

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

1.勤勉で教育を重んじる

ベトナムは南国の陽気な雰囲気がありますが、国民性として「勤勉さ」や「粘り強さ」が深く根付いている国です。自分の能力の向上に積極的で、スキルを磨いたり、新しい知識を習得したりする姿勢が目立ちます。

また、教育に対する関心も高い傾向にあります。近年では、大学への進学を目指す若者も増加しており、さらなる学びを求める意欲が見られるのが特徴です。

2.短期的な結果を求める人が多い

ベトナムでは、歴史的な背景も影響しており、長期的な計画を重視するという文化はあまり根付いていません。日本人が重視する「将来を見据えた計画性」よりも、目の前の結果や利益を求める傾向があります。

しかし、行動力には優れており、エネルギッシュに物事を進める力があります。多少大まかな部分があっても、柔軟さや即応性がベトナム人の強みとされ、状況に応じて素早く対応する姿勢が特徴的です。

3.社会進出している女性が多い

ベトナムでは、女性の社会進出が進んでおり、就業率は約70%です。これは世界平均を大きく上回る数値で、多くの女性が積極的に働いていることを示しています。

また、共働きが主流であるため、ベトナムの労働法では産休や保育園の費用補助など、家庭をサポートする制度が整備されています。しかし、管理職に占める女性の割合や賃金格差といった課題が残っているのが現状です。

参考:ベトナム社会主義共和国|厚生労働省

ベトナム人の特徴を理解して上手に仕事を進めるコツは3つ

次に、ベトナム人の特徴を理解して上手に仕事を進めるコツについて解説します。

  • 個人の性格の違いを理解する
  • わかりやすい日本語を使用する
  • 賃金体系を明確にする

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

1.個人の性格の違いを理解する

「ベトナム人だからこうだ」といった固定観念を持たず、個々の性格や特徴を理解しましょう。日本人に対して「時間に厳しい」「真面目」といったイメージがある一方で、実際にはそうではない人もいます。

このため、ベトナム人も一括りにするのは避けるべきです。人を国籍で判断せず、個々を尊重すれば、良好な関係を築けます。

2.わかりやすい日本語を使用する

ベトナムの方と日本語で話す際は、できるだけ簡潔でわかりやすい表現を心がけましょう。日本語には「ぽかぽか」「ざわざわ」といったオノマトペが多く、これらの表現は外国人にとって難解な場合が多いです。

また、日本語の敬語は複雑で、海外の方には混乱を招く可能性があります。このため、難しい敬語や専門的な表現は避け、基本的な「です」「ます」といった形を使うと、よりスムーズに会話が進みます。

3.賃金体系を明確にする

ベトナムの人々は、賃金に対して非常に現実的な考え方を持っています。多くの人が、将来的な昇給よりも、今のスキルに応じた報酬を重視する傾向にあるため、給与体系は現時点のスキルに見合ったものであるかは大切です。

また、残業代が支給される場合は、長時間働くこともいとわない人が多い傾向にあります。このため、残業に関するルールを明確に設定しておけば、労働環境を整えるのに役立ちます。

ベトナム人の特徴でよくある3つの質問

最後に、ベトナム人の特徴でよくある質問について紹介します。

  • 質問1.ベトナム人を採用する場合のポイントは?
  • 質問2.ベトナム人を特定技能で雇用する際にかかる費用は?
  • 質問3.ベトナム人を採用するメリット・デメリットは?

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

質問1.ベトナム人を採用する場合のポイントは?

ベトナムの人々は、仕事においても人間関係を大切にする傾向があります。採用面接ではプライベートな質問に対して抵抗が少なく、むしろ深い信頼関係を築くためのステップと捉えられます。

さらに、契約主義が強いため、必ず契約書を交わしましょう。また、総支給額と手取りの違いについてはしっかりと説明しておく必要があります。この点を明確にしておかないと、誤解やトラブルが発生して、急な退職につながるリスクがあるため注意しなければなりません。

なお、外国人採用における注意点については、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:外国人採用における注意点は7つ|採用動向やメリット・デメリット、採用ステップをご紹介!

質問2.ベトナム人を特定技能で雇用する際にかかる費用は?

ベトナム人を特定技能で雇用する際にかかる費用は、以下の表のとおりです。これらの費用はあくまで参考であり、実際の金額は登録支援機関や行政書士、送り出し機関によって異なる場合があります。

費用項目相場
登録支援機関への委託費用毎月約2〜3万円
送り出し機関への手数料20〜30万円程度
在留資格認定や入管申請の書類作成費用10〜20万円程度
出入国在留管理局への収入印紙代4,000円
渡航費約3〜6万円
健康診断の費用約1〜2万円
給与約20〜30万円

さらに、業種や雇用形態によっても費用が変わる場合があるため、具体的な条件に応じて確認が必要です。最終的なコストは個別の状況や契約内容によって左右されるため、事前に詳細をしっかり把握しておきましょう。

なお、登録支援機関については、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:【担当者必見】登録支援機関とは?特定技能制度における支援内容やメリット、選ぶ際のポイントを解説!

質問3.ベトナム人を採用するメリット・デメリットは?

ベトナム人を採用する際のメリットとデメリットは、以下のとおりです。

メリット

  • 手先が器用

ハンドメイドや機械の修理に長けているため、細かい作業や根気を要する現場で力を発揮できる

  • 家族を大切にする文化がある

職場でのチームワークや人間関係を重視する傾向がある

デメリット

  • 信頼関係を築いた相手には感情を表に出しやすい

日本人の控えめなコミュニケーションスタイルと異なるため、戸惑う場合がある

  • 待遇や福利厚生は自分の価値を表していると考える傾向にある

待遇が自身の価値に合わないと感じると、転職を選ぶ傾向もあるため、適切な評価とフィードバックが必要になる

まとめ

本記事では、ベトナム人の人柄や主な文化、特徴を理解して上手に仕事を進めるコツをご紹介しました。

ベトナムは、首都ハノイを持つ東南アジアの国で、母国語はベトナム語で、通貨はドンが使用されています。信仰は無信仰の人が多いですが、信仰している人のなかでは仏教が高い割合を占めています。

さらに、伝統的な民族服「アオザイ」やフランス文化とベトナムの伝統が融合した料理が豊富で繊細な味わいの料理が魅力です。また、ベトナム人の特徴としては、勤勉で教育を重んじており、短期的な成果を求め、社会で活躍する女性が多いといった特徴があります。

もし、ベトナム人を採用する場合は、個人の性格を尊重し、わかりやすい日本語を心がけ、マナー体系を明確にするなど、異文化を考慮した配慮が大切です。

なお、株式会社グローバルヒューマニー・テックでは、グローバル人材に対する総合的な生活支援を実施しており、外国人の受け入れにおける豊富な経験と知識を有しています。ご相談・お見積りはもちろん無料です。まずはお気軽にお問合せください。⇒株式会社グローバルヒューマニー・テックに相談する

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