2026年開始!在留カードとマイナンバーカード一体化の背景

在留カードとマイナンバーカードの一体化とは、外国人住民が所持する2つのカードの機能を1枚の「特定在留カード(仮称)」に集約する制度です。法務省の出入国在留管理庁と総務省が連携して進めている施策は、以下の背景があげられます。

  • 背景①行政手続きの重複を解消する効率化
  • 背景②外国人住民の利便性と生活基盤の強化
  • 背景③デジタル社会の実現に向けた基盤整備

煩雑な更新手続きを一度に済ませたいという要望に応えるため、政府は2026年6月の運用開始を目指して準備を進めています。事前にメリットや注意点、手続き方法などを理解しておくと対応がスムーズです。

この記事では、在留カードとマイナンバーカードの一体化の申請方法、背景、メリット・デメリットを解説していきます。また、よくある質問も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

編集部
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在留カードとマイナンバーカードの一体化の申請方法

特定在留カードの申請は、主に出入国在留管理庁(入管)の窓口や、市区町村の窓口を通じて行います。在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請といった従来の手続きを行う際に、併せて「特定在留カード等交付申請書」を提出する流れです。

具体的には、地方入管で在留手続きを行う際、または引越し時の住居地届出を行う際にワンストップで申請が可能です。

◆在留カードのワンストップ申請のイメージ図

◆在留カードのワンストップ申請のイメージ図

しかし、カードの交付までには10日程度の期間を要する場合があるため、即日交付を希望する際は注意が必要です。

参考:【※2026年6月14日運用開始※】特定在留カード等交付申請について|出入国在留管理庁

新制度の対象者と発行の条件

新制度の対象となるのは、住民基本台帳に記録されている「中長期在留者」および「特別永住者」です。このため、日本に3か月を超えて適法に滞在する多くの外国人住民が、新しい一体型カードを選択できるようになります。

一方で、短期滞在の方や外交・公用などの在留資格で住民票を持たない方は対象外です。また、特定在留カードの取得はあくまで任意であり、取得を希望しない場合は、従来通りの形式の在留カードを受け取れます。

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在留カードとマイナンバーカードを一体化する3つの背景

なぜ今、2枚のカードを1つにまとめる必要があるのでしょうか。そこには、日本が抱える社会課題の解決と、外国人住民が直面している構造的な不利益を解消しようとする明確な目的が存在します。

◆在留カードとマイナンバーカードを一体化する背景の概要図

◆在留カードとマイナンバーカードを一体化する背景の概要図

それぞれについて詳しくみていきましょう。

背景①行政手続きの重複を解消する効率化

一体化が進められる背景は、行政コストの削減と手続きの簡略化です。これまで外国人住民は、在留期限が更新されるたびに入管局へ行き、その後に市区町村の窓口でマイナンバーカードの有効期限を延長する「二度手間」となっています。

この重複作業は、行政側にとっても二重の事務負担を生んでおり、窓口の混雑を慢性化させる一因となっていました。マイナンバー法の一部改正により、システムを連携させて、一度の手続きで両方のデータを更新できる合理的な仕組みが求められました。

背景②外国人住民の利便性と生活基盤の強化

日本で暮らす外国人の数は増加傾向にありますが、生活の根幹を支える行政サービスの利用には依然として壁があります。マイナンバーカードは銀行口座の開設や健康保険証としての利用など、日本での生活に不可欠なものです。

しかし、在留資格の更新に合わせてマイナンバーカードの手続きを忘れてしまい、カードが失効して不便を被るケースが後を絶ちませんでした。生活基盤を安定させ、日本人住民と同等のデジタル利便性を提供することが、共生社会を実現するための大切な一歩といわれています。

背景③デジタル社会の実現に向けた基盤整備

日本政府が推進する「デジタル・ガバメント」の構築において、外国人住民をその枠組みに完全に取り込むことは急務でした。マイナンバーカードを基盤とした本人確認の仕組みを統一して、オンラインでの行政手続きを加速させる狙いがあります。

物理的なカードを1枚に集約することは、単なる利便性向上に留まりません。デジタル空間における身分証明の信頼性を高め、官民を問わず様々なサービスを安全かつスムーズに受けられる環境を整備することが、カード一体化の目的です。
参考:デジタル社会推進標準ガイドライン|デジタル庁

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在留カードとマイナンバーカードを一体化する3つのメリットとデメリット

新制度の導入には多くの利点がありますが、一方で注意すべき側面も存在します。メリットとデメリットを比較し、自分にとって最適な運用方法を検討することが大切です。

◆メリット・デメリットの概要図

◆メリット・デメリットの概要図

それぞれについて詳しくみていきましょう。

メリット①行政手続きの完全なワンストップ化

カードが一体化すれば、入管局と役所での二重の手続きが不要になります。これまでは、在留期間が更新されるたびに2つの窓口を回る必要がありましたが、新制度では入管局での手続きだけでマイナンバー側の情報も同期される点が特徴です。

このシステム連携により、外国人住民の窓口待ち時間が大幅に短縮されるといわれています。移動にかかる時間や交通費の節約にもつながり、多忙な就労者や学生にとって非常に大きな助けとなります。

メリット②健康保険証利用と医療アクセスの向上

一体化したカードにはマイナンバーカードの機能が含まれるため、そのまま健康保険証として利用できる点も魅力です。医療機関の受付で顔認証を行うだけで保険資格の確認が完了して、正確な医療データの共有が可能です。

これにより、過去の処方薬データなどにもとづいたより適切な診療を受けられるようになり、言葉の壁がある医療現場での安心感が増します。複数のカードを持ち歩く必要がなく、受診時の手続きが非常にスマートになります。

メリット③デジタルサービスの利用範囲拡大

マイナポータルとの連携により、自宅のスマートフォンから在留期間の満了時期を確認したり、オンラインで行政上の通知を受け取ったりできるようになる点もメリットです。民間サービスでも、銀行口座の開設や住宅ローンの契約における本人確認がオンラインで完結できます。

デジタル技術を活用した利便性の向上は、日本での生活基盤をより強固なものにします。最新の行政情報をリアルタイムで把握できるため、うっかりした手続き漏れによる不利益を未然に防げます。

デメリット①紛失時の生活への影響増大

カードを1枚にまとめることは、それを失くした際のダメージが非常に大きいです。在留資格を証明する機能と、マイナンバーとしての行政機能の両方を同時に失うため、再発行までの期間は不便な生活を強いられます。

就労の証明や銀行手続きが必要なタイミングで紛失すると、深刻な影響が出る可能性があります。管理の重要性がこれまで以上に高まるため、紛失防止に向けた物理的な対策や注意が必要です。

デメリット②再発行手続きの複雑化と所要時間

一体化カードを紛失したり汚損したりした場合、再発行の手続きには入管局と市区町村の双方が関わるシステム連携が必要です。導入初期には手続きのフローが煩雑になり、新しいカードが手元に届くまでに通常よりも時間がかかると懸念されます。

再発行までの間、どのように法的地位を証明するかといった代替手段をあらかじめ確認しておく必要があります。緊急時に慌てないように、カードのコピーや番号の控えを安全な場所に保管しておくなどの備えが欠かせません。

デメリット③制度理解の遅れによる現場の混乱

2026年6月の開始直後は、銀行や賃貸契約などの民間窓口において、新カードの仕様が十分に浸透していない可能性があります。店員や担当者が「一体化カード(特定在留カード)」を見たことがなく、本人確認に手間取るケースが予想されます。

これまでの在留カードと見た目が大きく変わる場合、正当な証明書であることを説明するストレスが生じかねません。制度が一般に広く認知されるまでは、念のため旧制度との違いを説明できる資料を手元に用意しておくとスムーズです。

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在留カードとマイナンバーカードの一体化でよくある3つの質問

在留カードとマイナンバーカードの一体化でよくある質問をご紹介します。それぞれ詳しくみていきましょう。

質問①一体化カードへの切り替えは強制ですか?

一体化カード(特定在留カード)の発行は、原則として希望者が対象となる見込みです。現在、持っている在留カードとマイナンバーカードをそのまま2枚別々に持ち続けることも選択できます。

しかし、行政手続きの簡素化というメリットを享受するためには、一体化を選択することが推奨されています。将来的に、より多くのサービスが一体化カードを前提に構築される可能性が高いためです。

質問②発行手数料はいくらくらいかかりますか?

具体的な手数料については、今後の政省令で定められる予定ですが、現行のマイナンバーカード発行手数料を基準に検討されています。初回発行や在留期間更新に伴う発行については、大きな負担にならないよう調整が進められています。

紛失による再発行の場合は、別途手数料が発生する場合が一般的なため、取り扱いには十分に注意しましょう。

参考:申請方法について|マイナンバーカード総合サイト

参考:紛失等による在留カードの再交付申請|出入国在留管理庁

質問③雇用主は従業員に一体化を勧めるべきですか?

雇用主は、管理コストの削減と従業員の利便性向上の観点から、一体化を積極的に勧めましょう。不法就労助長罪を回避するためにも、在留期限とマイナンバーの期限が一本化されたカードは、管理ミスを防ぐ非常に有効な手段となります。

しかし、取得はあくまで任意であるため、個人の意思を尊重しつつ、手続きの簡素化や更新漏れのリスク回避といったメリットを正しく伝えて、自主的な判断を促すのが適切な対応です。

なお、不法就労助長罪の事例については、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:【2025年最新】不法就労助長罪の事例3選|外国人を雇用する際に知っておきたいポイントもご紹介!

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一体化カード(特定在留カード)で日本の暮らしを快適かつスマートなものに!

在留カードとマイナンバーカードの一体化は、外国人住民の日本での暮らしをよりスマートに変える画期的な制度です。窓口での待ち時間が短縮され、1枚のカードで医療やデジタルサービスへスムーズにアクセスできる未来が、2026年6月から始まります。

この新制度のメリットは、以下があげられます。

  • メリット①行政手続きの完全なワンストップ化
  • メリット②健康保険証利用と医療アクセスの向上
  • メリット③デジタルサービスの利用範囲拡大

制度の運用開始に向けて、雇用主の方も従業員の在留期限管理やカードの切り替え、注意点についても理解を深めておきましょう。また、最新の動向をチェックするために、出入国在留管理庁の公式サイトを定期的に確認する習慣をつけておくと安心です。

なお、株式会社グローバルヒューマニー・テックでは、グローバル人材に対する総合的な生活支援を実施しており、外国人の受け入れにおける豊富な経験と知識を有しています。ご相談・お見積りはもちろん無料ですので、お気軽にお問合せください。⇒株式会社グローバルヒューマニー・テックに相談する

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