脱退一時金(年金)とは?確実に受け取るための5つのポイント

脱退一時金とは、日本の公的年金制度に加入していた外国人が、日本に住所を有しなくなった場合に、納めた保険料の一部を請求できる制度です。

日本で懸命に働いてきた外国人にとって、脱退一時金や年金の手続きは、これまでの努力を形にするための非常に重要な権利です。せっかく納めた保険料を放置して帰国するのは、将来の大きな損失につながるため、必ず申請を検討してください。

脱退一時金を確実に受給するために、この記事では以下のポイントを詳しく紹介します。

  • ポイント①帰国前に年金手帳とマイナンバーを確認する
  • ポイント②銀行口座の名義と住所を正確に把握する
  • ポイント③脱退一時金請求書を不備なく作成する
  • ポイント④源泉徴収された所得税の還付申告を行う
  • ポイント⑤日本国内の納税管理人を事前に選定する

この記事では、脱退一時金を確実に受け取るための具体的なポイントや、受給できる金額の目安、そして手続きに関するよくある疑問を包括的に要約して解説します。

編集部
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脱退一時金で年金を確実に受け取るための5つのポイント

日本での就労を終えて帰国する際は、これまで納めてきた保険料を脱退一時金として請求することが可能です。しかし、手続きに不備があると受給が大幅に遅れたり、最悪の場合は受け取れなくなったりするリスクがあります。

確実に、かつスムーズに資金を手に入れるためには、日本にいる間からの周到な準備が欠かせません。これから紹介する5つのポイントを一つずつ確認し、帰国後の新生活を支える大切な資金をしっかり確保しましょう。

◆脱退一時金を確実に受け取るためのポイントの概要図

◆脱退一時金を確実に受け取るためのポイントの概要図

それぞれについて詳しくみていきましょう。

ポイント①帰国前に年金手帳とマイナンバーを確認する

申請には基礎年金番号が必要となるため、日本にいる間に必ず年金手帳や基礎年金番号通知書を手元に用意してください。マイナンバーカードや通知カードも、本人確認書類として非常に重要な役割を果たすため、大切に保管しましょう。

これらの書類を紛失したり、番号が分からなくなったりすると、帰国後の再発行は非常に困難となります。出発前の荷物整理の際には、パスポートと同じくらい重要なものとして、真っ先に確認するようにしてください。

ポイント②銀行口座の名義と住所を正確に把握する

送金先となる銀行口座は、受取人本人の名義であり、かつ外貨での送金を受け入れられる口座である必要があります。口座名義のアルファベット表記が、パスポートや申請書と一字一句違わないか、事前に銀行へ確認してください。

もし銀行名や支店名、SWIFTコードに誤りがあると、送金エラーが発生してしまいます。手続きが遅れたり、再送金の手数料が発生したりするため、正確な情報をメモして帰国しましょう。

ポイント③脱退一時金請求書を不備なく作成する

請求書は日本年金機構のホームページからダウンロード可能であり、多言語に対応した案内も用意されています。記入漏れや捺印の忘れがないか、提出前に何度も読み返したり、詳しい人に確認してもらったりしてください。

申請期限は日本に住所を有しなくなった日から2年以内と決まっているため、帰国後は速やかに郵送する必要があります。期限を過ぎると、どれだけ長く保険料を払っていても1円も受け取れなくなるため注意が必要です。

ポイント④源泉徴収された所得税の還付申告を行う

厚生年金の脱退一時金を受け取る際、支給額の20.42%が所得税として源泉徴収されます。この税金は、帰国後に確定申告(還付申告)を行うことで、その大部分を取り戻すことができる仕組みです。

そのまま放置すると約2割の金額を損することになるため、必ず還付申告までをセットで考えるようにしましょう。国民年金の脱退一時金には所得税がかかりませんが、厚生年金の場合はこの手続きが必須となります。

なお、外国人労働者の税金については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

関連記事:外国人労働者の税金はこれで完璧!3つの注意点と居住者・非居住者の違いをご紹介! – 株式会社 グローバルヒューマニー・テック

ポイント⑤日本国内の納税管理人を事前に選定する

還付申告は日本国内の税務署に対して行う必要があるため、本人の代わりに手続きを行う「納税管理人」を定める必要があります。信頼できる友人や知人、あるいは専門の代行業者に依頼し、出国前に届け出を済ませてください。

納税管理人が決まっていないと、税金の還付金を受け取るための窓口がなくなってしまい、手続きが滞ります。帰国してから慌てて探すのではなく、日本にいる間に準備を整えておくことが、スムーズな受給の鍵となります。

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脱退一時金の支給条件と受け取れる金額の目安

脱退一時金を受け取るためには、日本国籍を有していないことや、公的年金の加入期間が合計6カ月以上あることが条件となります。さらに、日本に住所を有していないことや、年金を受ける権利を一度も得ていないことも重要な要件です。

受け取れる金額は、最後に加入していた年金制度の種類や、保険料を納めた期間の長さに応じて計算されます。以下の表は、厚生年金保険における脱退一時金の支給額のおおよその目安を示したものです。

◆厚生年金脱退一時金の概算表(平均標準報酬額が20万円の場合)

加入期間(月数)支給額の目安
6カ月以上 12カ月未満約100,000円
12カ月以上 18カ月未満約220,000円
24カ月以上 30カ月未満約440,000円
36カ月以上 42カ月未満約660,000円
60カ月以上約1,100,000円

実際の支給額は、加入時期や平均標準報酬額によって細かく変動するため、正確な金額は日本年金機構の計算式に基づきます。

なお、脱退一時金を受け取ると、それまでの年金加入期間がすべてリセットされるというデメリットも存在します。将来、再び日本で働いて日本の老齢年金を受け取りたいと考えている場合は、慎重に判断するようにしてください。

参考:脱退一時金の制度|日本年金機構

なお、脱退一時金の対象者や申請方法については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。

関連記事:国民年金・厚生年金の脱退一時金とは?対象者や金額、申請から入金までの流れを徹底解説!

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脱退一時金の年金手続きでよくある3つの質問

最後に、脱退一時金の年金手続きでよくある3つの質問をご紹介します。それぞれの内容について詳しくみていきましょう。

質問①日本を離れてから何年以内であれば申請が可能ですか?

脱退一時金の請求期限は、最後に日本国内に住所を有しなくなった日から数えて2年以内と厳格に定められています。この「住所を有しなくなった日」とは、通常、役所に転出届を提出して受理された日、あるいは実際に出国した日を指します。

期限を1日でも過ぎてしまうと、日本年金機構は一切の申請を受理しなくなるため、帰国後は速やかに書類を郵送しなければなりません。万が一、書類に不備があって差し戻された場合でも、この期限内に再提出を完了させる必要があります。

質問②手続きをしてから自分の口座にお金が振り込まれるまでどのくらいの時間がかかりますか?

通常、日本年金機構に請求書が到着してから、実際に指定の口座へ送金が行われるまでには約4カ月から6カ月程度の期間を要します。これは、加入記録の精査や銀行間の国際送金手続きに時間を費やす必要があるためです。

手続きが完了すると、日本年金機構から「脱退一時金支給決定通知書」が郵送され、その後に振込が実行されます。もし半年以上経過しても通知が届かない場合は、書類の不備による遅延や郵送事故の可能性があるため、状況を確認してください。

質問③厚生年金と国民年金の両方に加入していた場合どちらも請求できますか?

両方の制度に加入期間がある場合でも、最後に加入していた制度に基づいて1つの請求としてまとめて行います。たとえば、会社を辞めた後に短期間だけ国民年金に加入していたなら、国民年金の脱退一時金として請求することになります。

ただし、それぞれの制度で6カ月以上の加入期間が必要であったり、合算のルールが複雑であったりするため、注意が必要です。自分がどの制度にどのくらいの期間加入していたか不明な場合は、出国前に年金事務所で確認しておきましょう。

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脱退一時金で年金を確実に受け取ろう!

脱退一時金は、日本で働いた外国人が正当に受け取ることができる大切な資産であり、帰国後の生活を支える大きな力となります。制度の内容を正しく理解し、期限内に正確な手続きを行うことで、将来の選択肢を大きく広げてください。

納めた保険料をしっかりと回収し、母国での夢を実現させたり、家族との幸せな生活を築いたりしましょう。正しい知識を持って行動することが、日本での経験を最高の形で締めくくるための第一歩となります。

この記事では、確実に受給するための以下のポイントを紹介しました。

  • ポイント①帰国前に年金手帳とマイナンバーを確認する
  • ポイント②銀行口座の名義と住所を正確に把握する
  • ポイント③脱退一時金請求書を不備なく作成する
  • ポイント④源泉徴収された所得税の還付申告を行う
  • ポイント⑤日本国内の納税管理人を事前に選定する

補足として、一度脱退一時金を受け取ると、その期間の加入記録は完全に消滅してしまいます。将来再び日本で働き、長期的な受給を目指す場合は、一時金を受け取らずに加入期間を維持する選択肢も検討する価値があります。

日本での貴重な経験を最高の形で締めくくり、母国での輝かしい未来を手に入れるために、まずは手元の書類を確認することから始めましょう。複雑な手続きを確実に進めることが、皆様の権利を守り、安心できる生活を築くための近道となります。

なお、株式会社グローバルヒューマニー・テックでは、グローバル人材に対する総合的な生活支援を実施しており、外国人の受け入れにおける豊富な経験と知識を有しています。ご相談・お見積りはもちろん無料です。まずはお気軽にお問合せください。⇒株式会社グローバルヒューマニー・テックに相談する

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