
日本で働く外国人の方々の中には、家族を呼び寄せて共に生活したいと願う方も少なくありません。そのような場合に必要となるのが「家族滞在ビザ」です。
本記事では、家族滞在ビザの概要から、取得要件、申請方法、そして企業がこのビザを持つ外国人を雇用するメリットまでを詳しく解説します。


家族滞在ビザとは?
家族滞在ビザは、日本で就労する外国人の配偶者や子どもが一緒に暮らすために必要な在留資格です。このビザを取得することで、扶養者のもとで日本に一定期間の滞在が認められます。
家族滞在ビザを持つ被扶養者は、扶養者の経済的な支援を受けながら日本で生活を送ることが可能です。また、滞在できる期間は法務大臣が決定し、最長で5年とされています。これにより、日本で働く外国人が家族と共に安定した生活を築くことが可能となります。

家族滞在ビザの対象者
家族滞在ビザは、日本で働く外国人の配偶者や子どもが対象となる在留資格です。養子や認知された非嫡出子も含まれますが、兄弟や両親は認められていません。
そのため、本国にいる親を日本へ呼び寄せたい場合、家族滞在ビザでは対応できません。ただし、特定の条件を満たせば、「高度専門職ビザ」や「老親扶養ビザ(告示外の特定活動ビザ)」を利用できる可能性があります。親を日本に滞在させるには、こうした別の在留資格を検討する必要があります。

家族滞在ビザの要件は3つ
家族滞在ビザの取得には、大きく分けて以下の3つの要件を満たす必要があります。
1.配偶者や子が扶養を受けている
家族滞在ビザを取得するには、単に配偶者や子どもであるだけでなく、扶養の実態が認められる必要があります。在留資格における扶養の概念は、健康保険や税制上の扶養とは異なり、経済的な依存関係が重視されます。
例えば、配偶者は同居し、扶養者の経済的支援を受けていることが求められ、子どもについても親の監護や養育を受けていることが条件です。特に、被扶養者の収入が扶養者を上回る場合や、子どもが成人して自立している場合は、家族滞在ビザの対象外となる可能性があります。
学生であれば扶養関係が認められる場合もありますが、送金記録など具体的な証明が求められることがあります。
2.日本で一緒に暮らせる経済力がある
家族滞在ビザを取得して日本に家族を呼び寄せる際には、扶養者が安定した収入を持ち、家族全員の生活を維持できることが重要な審査基準となります。具体的な収入基準は明確には決まっていません。
しかし、申請者の給与、居住地域の生活費、家賃などが総合的に考慮されます。特に、家族の人数が増えるほど必要とされる経済力も高くなります。そのため、課税証明書や納税証明書などの提出を求められることが一般的です。
場合によっては、貯蓄や会社からの住宅補助などが考慮され、年収が一定基準に満たなくても申請が認められるケースもあります。家族を迎える際は、生活が安定するよう十分な経済的準備を整えることが大切です。
3.家族関係が証明できる
家族滞在ビザの申請には、扶養者と被扶養者の関係を証明する公式な書類が求められます。具体的には、婚姻証明書や子どもの出生証明書など、公的に家族関係を示す書類を準備しなければなりません。
これらの書類が外国語で作成されている場合、日本語訳を添付する必要があります。また、提出する書類は発行元の正式なものであることが求められ、不備があると申請が認められない可能性があります。正確で適切な書類を揃え、申請手続きを円滑に進めることが重要です。

家族滞在の申請方法と必要書類
家族滞在ビザを取得するための手続きには、海外から家族を呼び寄せる場合と、日本国内で在留資格を変更する場合の2つの方法があります。海外からの申請では、まず日本の出入国在留管理局で「在留資格認定証明書」を取得し、それを家族が自国の日本大使館に提出してビザを申請します。
申請には在留資格認定証明書交付申請書、写真、身分関係を証明する書類、扶養者の在留カードや職業・収入証明書などが必要です。一方、すでに日本にいる外国人の配偶者が在留資格を変更する場合は、出入国在留管理局で「在留資格変更許可申請書」を提出し、同様の必要書類を準備する必要があります。適切な書類を揃え、手続きを正しく進めることが重要です。

家族滞在ビザの外国人の就労可否
家族滞在ビザでは、原則として就労は認められていません。しかし「資格外活動許可」を取得すれば、一定の条件付きで就労することが可能です。資格外活動許可には「包括許可」と「個別許可」の2種類があり、家族滞在ビザを持つ方はどちらも申請できます。
包括許可
家族滞在ビザを持つ人が就労する場合、資格外活動の許可が必要となります。その中でも「包括許可」は、勤務先や業務内容を特定せずに働くことができる許可の形態です。この許可を取得するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
具体的には、週28時間以内の勤務であること、法令に違反する活動や風俗営業に関連する業務に従事しないことなどが求められます。包括許可は、働く場所が決まっていなくても申請できるため、柔軟に仕事を探せるメリットがあります。
個別許可
個別許可は、特定の勤務先や業務内容に対して個別に就労を認める資格外活動の許可です。これは、包括許可の条件に当てはまらない場合に申請する必要があります。
例えば、個人事業主として活動する場合や、業務委託契約を結んで仕事をする場合などが該当します。勤務時間が週28時間以内であっても、業務の性質によっては個別許可が求められることがあります。
また、活動内容や勤務先が明確にされ、扶養の要件を満たすことが重要です。申請の際には、契約内容や報酬の詳細を文書で提出する必要があります。
関連記事:家族滞在ビザで就労するために必要な許可とは?概要や雇用する場合の注意点を解説します! – 株式会社 グローバルヒューマニー・テック
家族滞在ビザの外国人材の雇用形態
家族滞在ビザでの就労は、週28時間以内という制限があるため、フルタイムの正社員としての雇用は難しいですが、雇用形態自体には制限がありません。そのため、アルバイトやパートだけでなく、勤務時間を調整すれば契約社員として働くことも可能です。
例えば、週5日勤務の場合、一日あたり最大5.6時間の労働が認められます。また、個別許可を取得する場合でも、在留期間の過半を超えない範囲での活動が求められるため、契約内容を事前に確認することが重要です。企業側は、適切な雇用形態で受け入れることが求められます。

家族滞在ビザが企業にもたらすメリット
外国人社員が家族と共に日本で生活できるようになることで、家族の事情による退職リスクを軽減することが可能です。多くの外国人社員は、家族と一緒に暮らすことを強く希望しており、家族が母国にいる場合、一定期間勤務した後に帰国を決意することも珍しくありません。
企業が家族滞在ビザの取得をサポートすることで、社員が安心して長く働ける環境を整えられます。これにより、定着率の向上が期待でき、企業にとっても安定した人材確保につながるでしょう。長期雇用を考える企業は、家族滞在ビザの活用を積極的に検討することが重要です。

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家族滞在ビザでよくある3つの質問
家族滞在ビザで就労する場合、いくつか注意すべき点があります。よくある質問をまとめましたので、確認しておきましょう。
質問1.家族滞在ビザで滞在する外国人を雇用する場合の注意点は?
外国人を雇用する際は、在留資格の確認を徹底することが不可欠です。在留カードが本人のものであるか、偽造されたものでないか、在留資格が「家族滞在」であるか、さらに在留期限が有効かどうかを必ず確認しましょう。
加えて、家族滞在ビザでは週28時間以内の就労制限があり、風俗関係の業種では働くことができません。これらのルールを守らずに雇用すると、不法就労助長罪に問われる可能性があり、企業側も処罰を受けるリスクがあります。
不法就労は、雇用主と外国人本人双方にとって不利益となるため、適正な管理を徹底することが重要です。
質問2.家族滞在ビザで働きすぎてしまった場合はどうなる?
週28時間の就労制限を超えて働くことは、資格外活動の許可に違反する行為となります。出入国管理及び難民認定法第9章70条では、この違反に対して「3年以下の懲役または禁錮」、もしくは「300万円以下の罰金」、またはその両方が科される可能性があると定められています。
このような違反履歴があると、将来的に日本での在留継続や就職活動に大きな影響を与える可能性があります。例えば、企業への就職活動時に過去の不法就労が発覚すると、内定取り消しや雇用拒否につながる恐れがあるため、就労ルールの遵守が重要です。
質問3.家族滞在ビザの更新で注意することは?
家族滞在ビザの在留期間は、基本的に扶養者の在留期限に連動しています。更新申請は在留期限の3ヶ月前から受け付けられるため、余裕をもって手続きを進めることが大切です。
万が一、更新申請が不許可になった場合でも、指摘された問題点を修正し、再申請を行うことで許可が下りる可能性があります。期限を過ぎると日本に滞在できなくなるため、早めの準備が重要です。必要書類を揃え、スムーズに申請を進めることで、在留資格の継続を確実なものにしましょう。

まとめ
家族滞在ビザは、外国人社員の家族の帯同を可能にし、企業にとっては優秀な人材の確保・定着に繋がるメリットがあります。企業は、外国人社員の家族滞在ビザに関する理解を深め、適切なサポートを提供することが重要です。
なお、株式会社グローバルヒューマニー・テックでは、グローバル人材に対する総合的な生活支援を実施しており、外国人の受け入れにおける豊富な経験と知識を有しています。ご相談・お見積りはもちろん無料です。まずはお気軽にお問合せください。⇒株式会社グローバルヒューマニー・テックに相談する

