
なんちゃって技人国とは、在留資格の要件を満たさないにもかかわらず、不正に「技術・人文知識・国際業務」の資格で雇用する行為です。外国人採用を検討する中で、自社がなんちゃって技人国として指摘されないか、不安を感じている方もおられるのではないでしょうか。
安易な解釈でビザを申請することは、取り返しのつかない不利益を招く原因となるため、以下のポイントに注意しなければなりません。
- ポイント①職務内容と大学での専攻科目の整合性を確認する
- ポイント②単純労働が含まれないよう業務分担を明確化する
- ポイント③在留資格の申請前に専門家による事前診断を受ける
この記事では、なんちゃって技人国を回避して採用するポイント、背景、リスクを包括的にまとめました。また、よくある質問も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。


なんちゃって技人国を回避し合法な採用を実現する3つのポイント
外国人雇用を成功させるためには、その場しのぎの対応ではなく、制度の根幹を理解した上での運用が求められます。不適切な運用を放置することは、企業としての社会的信用を失墜させるだけでなく、深刻な法的ペナルティを招きかねません。
ポイント①職務内容と大学での専攻科目の整合性を確認する
採用を決定する前に、候補者の成績証明書や卒業証明書を入念に確認してください。たとえば、「技術・人文知識・国際業務」の資格は、学術的な背景にもとづいた専門業務であることが前提です。
専攻科目が業務に関連していない場合、入国管理局からの許可はまず下りません。ミスマッチを事前に防ぐために、募集要項を作成する段階から、ターゲットとする学問分野を明確に定義しておきましょう。
ポイント②単純労働が含まれないよう業務分担を明確化する
「技術・人文知識・国際業務」の資格で働く外国人に、レジ打ちや清掃といった単純労働をメインで任せることは法律で禁じられています。現場の人手不足から「少しだけ手伝ってほしい」と頼んだり、なし崩し的に現場作業が恒常化したりする状況は非常に危険です。
不法就労とみなされないためには、雇用契約書や職務内容説明書において、具体的な業務範囲を明確に定義してください。専門業務の付随として発生する軽微な作業は許容されますが、主従関係が逆転しないよう組織的な管理体制を整えましょう。
ポイント③在留資格の申請前に専門家による事前診断を受ける
自社だけの判断でビザ申請を進めることは、不許可や虚偽申請のリスクを高める結果につながりかねません。入管法の運用ルールは頻繁に更新されており、過去の成功例が現在の基準でも通用するとは限らないためです。
専門的な知見を持つ専門家による事前診断を活用して、不備や説明不足をあらかじめ解消しておきましょう。客観的な視点を取り入れると、自社では気づけなかった法令違反の可能性を早期に発見できます。

なんちゃって技人国が発生する3つの背景
なぜ「なんちゃって技人国」という歪んだ雇用形態が生まれてしまうのでしょうか。その背景には、現場の切実な事情と制度への無理解が複雑に絡み合っています。
◆なんちゃって技人国が発生する背景の概要図

それぞれについて詳しくみていきましょう。
背景①深刻な人手不足による現場判断の焦り
多くの企業が直面している人手不足が、安易な雇用へと走らせる最大の要因となっています。「背に腹は代えられない」という心理から、在留資格の要件を二の次にして、目前の労働力を確保しようとする動きが後を絶ちません。
さらに、現場の責任者がビザの仕組みを正しく理解せず、採用を強行してしまうケースも目立ちます。しかし、一時的な人手不足を解消するために法を犯すことは、結果として事業の継続を危うくする本末転倒な選択です。
背景②在留資格制度の複雑さと専門知識の不足
日本の入管法や在留資格の制度は、非常に複雑で高い専門性が求められます。「大学を出ていればどんな仕事でもできるはずだ」という誤った思い込みが、不適切な申請を誘発しているのが現状です。
「技術・人文知識・国際業務」の境界線は曖昧に見えることがあり、自己解釈で進めるのは危険です。正しい知識を持たないまま、既存のテンプレートを流用して書類を作成することが、虚偽申請とみなされるリスクを高めています。
背景③不誠実な仲介業者による虚偽の説明
一部の不誠実な仲介業者が、成約報酬を得るために「この方法なら許可が下りる」と虚偽の提案を行うケースが見受けられます。成約報酬を目的に、実態とは異なる職務内容で申請を通そうと画策するため、注意しなければなりません。
仲介業者の甘い言葉を鵜呑みにせず、企業自身が主体性を持って法適合性を確認する必要があります。

なんちゃって技人国が企業にもたらす3つの深刻なリスク
外国人雇用において、本来の資格外の業務に従事させる「なんちゃって技人国」の状態は、企業にとって致命的なダメージを与えます。以下では、不適切な運用が招く具体的なリスクについて詳しく解説します。
◆なんちゃって技人国が企業にもたらすリスクの概要図

それぞれについて詳しくみていきましょう。
リスク①不法就労助長罪による刑事罰と多額の罰金
在留資格で認められていない単純労働に従事させた場合、企業は「不法就労助長罪」に問われます。「出入国管理及び難民認定法第73条の2」にもとづき、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方が科されます。
この罰則は、「知らなかった」という過失があった場合でも処罰の対象となりかねません。書類を偽造したり、実態を隠したりして申請を強行する行為は、企業の存続を左右する刑事事件に発展します。
なお、不法就労助長罪の事例については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:【2025年最新】不法就労助長罪の事例3選|外国人を雇用する際に知っておきたいポイントもご紹介!
リスク②社会的な信用の失墜とブランドイメージの低下
法令違反が発覚してメディア等で報道された場合、ネガティブな情報はインターネットを通じて瞬く間に拡散します。SNSでの批判やニュース報道によって、長年築き上げてきた企業のブランドイメージが、一瞬で崩れ去る事態を想定してください。
コンプライアンスを重視する大手取引先からは契約を解除され、新たなビジネスチャンスも根こそぎ失われます。社会的信用を失った企業には、日本人材の応募すら集まらなくなり、組織運営そのものが立ち行かなくなるリスクが非常に高いです。
リスク③一定期間における外国人材の受け入れ停止措置
不法就労助長罪などの罰則を受けた企業は、その後5年間にわたり新たな外国人の受け入れが一切認められなくなります。これは、出入国管理法における「欠格事由」に該当するためであり、拡大予定だった事業計画がすべて白紙に戻る事態も覚悟しなければなりません。
既存の外国人社員の在留資格更新も非常に困難になり、現場を支える貴重な戦力を一気に失うリスクが高いです。人手不足を解消するための採用が、逆に5年間の採用禁止という致命的な結果を招かないよう、私たちと一緒にクリーンな体制を整えましょう。

外国人採用の相談なら「株式会社グローバルヒューマニー・テック」

株式会社グローバルヒューマニー・テックでは、グローバル人材に対する総合的な生活支援を実施しています。豊富な実績による盤石なサポート体制とIT技術をかけ合わせた独自のノウハウで、外国人労働者の支援プラットフォームを充実させています。
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なんちゃって技人国でよくある3つの質問
なんちゃって技人国でよくある質問をご紹介します。それぞれ詳しくみていきましょう。
質問①「技術・人文知識・国際業務」のビザで、研修として現場仕事をさせるのは違法ですか?
研修期間が限定されており、将来的に専門業務に従事するための教育として合理性があれば、一定期間の現場研修は認められます。
ただし、その期間が数年間に及んだり、研修終了後も現場作業がメインだったりする場合は、資格外活動とみなされる可能性が高いため注意してください。
質問②学歴がない外国人でも、実務経験があればこのビザを取得できますか?
研修としての現場作業は、一定の合理的な期間内であれば認められますが、無制限に行えるわけではありません。入管当局の指針では、将来的に専門的な業務に従事することを前提とした実務研修であれば、適法と判断されるケースが多いです。
しかし、明確な計画がないまま漫然と現場仕事を続けさせることは、不法就労とみなされる重大なリスクを伴います。具体的な期間については、一般的に半年から一年程度が目安とされており、業務の習得に期間が必要な理由を論理的に説明しなければなりません。
質問③アルバイトから正社員へ登用する際、これまでと同じ現場業務のまま「技人国」へ変更できますか?
留学生がアルバイトで行っていた接客や調理などの現場業務をそのまま「技術・人文知識・国際業務」へ変更することは原則として認められません。アルバイトでは許されていた単純労働も、この就労ビザでは専門的な業務が必須となるためです。
優秀な人材であっても、業務内容に専門性がなければ不許可となるリスクが非常に高くなります。現場での活躍を継続させたい場合は、単純労働が可能な「特定技能」への切り替えを検討する方法が適切です。

正しい知識で安全な外国人採用を実現しよう!
外国人採用は、企業の多様性を高め、新たな活力を生み出す素晴らしいチャンスです。しかし、その基盤となるのは「法律を守る」という当たり前の姿勢であることを忘れないでください。
「なんちゃって技人国」とならないように、以下のポイントを意識して、健全な採用活動を進めていきましょう。
- ポイント①職務内容と大学での専攻科目の整合性を確認する
- ポイント②単純労働が含まれないよう業務分担を明確化する
- ポイント③在留資格の申請前に専門家による事前診断を受ける
正しい知識を持ち、誠実な雇用を継続することで、グローバル化は必ず成功を実現できます。
なお、株式会社グローバルヒューマニー・テックでは、グローバル人材に対する総合的な生活支援を実施しており、外国人の受け入れにおける豊富な経験と知識を有しています。ご相談・お見積りはもちろん無料です。まずはお気軽にお問合せください。⇒株式会社グローバルヒューマニー・テックに相談する



