
外国人労働者の雇用を検討している企業担当者のなかには、ハローワークの利用を検討している方もおられるのではないでしょうか。ハローワークを利用する場合、メリットとデメリットの両方が存在するため、どのようなメリット・デメリットがあるのかを事前に理解しておきましょう。
本記事では、外国人雇用状況の届出の概要や外国人雇用にハローワークを利用するメリット・デメリットについて解説します。また、よくある質問もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。


外国人雇用状況の届出とは?
「外国人雇用状況の届出」は、雇用対策法に基づき、すべての事業主に義務付けられている手続きです。外国人労働者を新たに雇い入れる場合や、離職した場合には、その都度、氏名・在留資格・在留期間などの情報を確認したうえで、ハローワークを通じて厚生労働大臣に届け出る必要があります。
この制度は、外国人の適正な雇用管理や労働環境の整備を目的としており、違反があった場合には行政指導の対象となる可能性もあります。
外国人アルバイトや派遣社員も対象になる
外国人雇用状況の届出は、「外交」「公用」「特別永住者」「帰化」以外の在留資格を持つ外国人すべてが対象となります。正社員だけでなく、留学生や配偶者等の在留資格で働くアルバイト、さらには外国人派遣社員も含まれます。
とくに、派遣の場合は、派遣先ではなく派遣元が届出義務を負うため注意が必要です。短期雇用であっても対象となるため、雇用の際は必ず在留資格を確認し、速やかに手続きを行いましょう。
なお、外国人が日本の永住権を取得するための要件については、こちらの記事でご紹介しています。
関連記事:外国人が日本の永住権を取得するための要件は3つ|許可申請の方法や取得後の注意点を解説! – 株式会社 グローバルヒューマニー・テック
オンラインでも届け出ができる
外国人雇用状況の届出は、ハローワーク窓口に加え、専用のオンラインシステムからも提出が可能です。オンライン手続きは24時間365日対応しており、操作マニュアルもハローワークインターネットサービス内で確認できます。
ただし、過去に紙で届出を行った事業者は、そのままではオンライン申請用のID・パスワードを取得できません。希望する場合は、事前にハローワークに連絡し、必要書類を提出してオンライン切り替え手続きを行う必要があります。

外国人雇用にハローワークを利用するメリットは3つ
次に、外国人雇用にハローワークを利用するメリットについてご紹介します。
- コストがかからない
- 近隣の外国人を採用できる
- 助成金を受けられる場合がある
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.コストがかからない
ハローワークは厚生労働省が運営する公的な機関であり、求人の掲載や求職者への案内に費用が発生しないのが特徴です。求人サイトでは掲載料や成功報酬がかかるケースもありますが、ハローワークでは一切不要です。
また、外国人労働者を採用する際には、在留資格に応じた職業紹介を行っているため、法的リスクの軽減にもつながります。費用面でも法的な安心面でも、事業者にとって大きなメリットがあるサービスです。
2.近隣の外国人を採用できる
ハローワークは地域密着型の求人媒体であり、地元に住む求職者に向けた採用活動を行いやすい点が特徴です。地域内で働きたいと考えている外国人留学生や在住外国人に対しても効果的にアプローチできるため、企業側は通勤のしやすさや生活環境に馴染んだ人材を確保しやすくなります。
地域の大学や住民とのつながりを活かし、地元に根ざした雇用を実現できるのも、ハローワークを活用する利点の1つです。
3.助成金を受けられる場合がある
外国人労働者の採用に際し、ハローワークを通じて利用できる助成金制度が複数用意されています。たとえば「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」は、外国人の働きやすい職場環境づくりに取り組む企業に対し、その整備費用の一部を支援する制度です。
また、「トライアル雇用助成金」では、職業経験が少ない外国人求職者の受け入れに際して、月額で一定の支給が受けられるなど、制度の活用によって負担軽減と安定雇用が期待できます。
参考:人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)|厚生労働省

外国人雇用にハローワークを利用するデメリットは3つ
次に、外国人雇用にハローワークを利用するデメリットについて解説します。
- 掲載できる情報が限られている
- 他社との差別化が図りにくい
- 人口が少ない地域では採用がしにくい
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.掲載できる情報が限られている
ハローワークを利用した求人情報は、掲載できる内容や文字数に制限があるため、企業の特徴や職場の魅力を十分に伝えるのが難しい場合があります。とくに、外国人求職者に向けて、自社の文化や働き方、サポート体制などの詳細を伝えるには情報が不足しがちです。
他社との差別化がしにくく、応募意欲を高める工夫にも限界がある点は、ハローワークを利用する際の注意点です。
2.他社との差別化が図りにくい
ハローワークは無料で求人を掲載できる反面、すべての企業が同じ条件で掲載されるため、差別化が難しいという側面があります。有料の求人サイトでは、広告の掲載順位や表示方法の工夫により、特定の人材層に強くアピールできますが、ハローワークではそのような優遇はありません。
その結果、求めるスキルや経験を持つ人材に届きにくく、採用に時間がかかる可能性もあります。無料ゆえの平等性が、制約になる場合があります。
3.人口が少ない地域では採用がしにくい
ハローワークは地域密着型の就労支援を目的としており、求人も基本的にその地域に限定されます。都市部や大学の多い地域では外国人労働者の応募が期待できますが、人口が少ない地域では人材の確保が難しいケースもあります。
また、外国人留学生が在住していても、卒業後はより多くの選択肢を求めて都市部へ移動する傾向があり、採用につながらない場合も多いです。求人地域外の求職者に訴求しづらい点もデメリットの1つです。

外国人採用の相談に「グローバルヒューマニー・テック」がおすすめな理由
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外国人 雇用 ハローワークでよくある3つの質問
最後に、外国人 雇用 ハローワークでよくある質問をご紹介します。
- 質問1.外国人雇用状況の届出を忘れた場合の罰則は?
- 質問2.ハローワークから外国人を雇用する際の採用経路は?
- 質問3.ハローワーク以外で外国人を募集する方法は?
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
質問1.外国人雇用状況の届出を忘れた場合の罰則は?
外国人を雇用する際には、「外国人雇用状況の届出」が全事業者に義務付けられており、雇入れ時・離職時の両方で手続きを行う必要があります。届出を怠ったり虚偽の情報を記載した場合、30万円以下の罰金が科されるリスクがあります。
さらに、状況によっては不法就労助長とみなされ、より重い罰則が適用される可能性もあるため注意が必要です。うっかり提出を忘れた場合も、早急にハローワークに連絡し、適切な対応を取りましょう。
なお、外国人雇用状況届出書については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
関連記事:外国人雇用状況届出書とは?提出方法や記載方法、注意点まで詳しく解説します! – 株式会社 グローバルヒューマニー・テック
質問2.ハローワークから外国人を雇用する際の採用経路は?
外国人労働者の採用を検討している企業は、ハローワークの専門施設の活用が可能です。たとえば、外国人雇用サービスセンターは高度外国人材に特化した支援を行い、東京・名古屋・大阪・福岡の4拠点で対面相談やオンライン対応を実施しています。
また、全国の新卒応援ハローワークに設置された留学生コーナーでは、留学生への個別サポートやイベントも行われています。
質問3.ハローワーク以外で外国人を募集する方法は?
外国人採用を成功させるには、ハローワークだけでなくほかの手段を組み合わせることが効果的です。たとえば、大学や専門学校に求人票を出せば、専門スキルや語学力を持つ学生と出会える可能性が高まります。
さらに、求人サイトを活用すれば広範囲に情報を届けられ、より多くの候補者にリーチできます。また、人材紹介会社を利用すれば、条件に合う人材を迅速に紹介してもらえるほか、ビザの手続きや言語面のサポートも受けられる点がメリットです。
なお、外国人労働者を雇うためのステップについては、こちらの記事でご紹介しています。
関連記事:外国人労働者を雇うための5つのステップ|メリット・デメリットや雇用できる条件をご紹介!

まとめ
本記事では、外国人雇用状況の届出の概要や外国人雇用にハローワークを利用するメリット・デメリット、よくある質問をご紹介しました。
「外国人雇用状況の届出」は、雇用対策法に基づき、すべての事業主に義務付けられている手続きです。外国人労働者を新たに雇い入れる場合は、氏名や在留資格、在留期間などの情報を確認したうえで、ハローワークを通じて厚生労働大臣に届け出る必要があります。
外国人雇用状況の届出は、「外交」「公用」「特別永住者」「帰化」以外の在留資格を持つ外国人すべてが対象となります。正社員だけでなく、留学生や配偶者等の在留資格で働くアルバイト、さらには外国人派遣社員も含まれるため注意してください。
また、外国人雇用にハローワークを利用する場合、コストがかからない点や近隣の外国人を採用できる点が大きなメリットですが、掲載情報が限られる点や他社との差別化が図りにくいというデメリットもあります。
これらのポイントを正しく理解し、企業のニーズに合致した方法で外国人の雇用を検討してみてください。
なお、株式会社グローバルヒューマニー・テックでは、グローバル人材に対する総合的な生活支援を実施しており、外国人の受け入れにおける豊富な経験と知識を有しています。ご相談・お見積りはもちろん無料です。まずはお気軽にお問合せください。⇒株式会社グローバルヒューマニー・テックに相談する

