外国人の雇用を検討している方や既に雇用している方で、日本人と外国人の価値観の違いに悩まれている方も多いのではないでしょうか。職場でのトラブルを回避するためには、お互いの価値観を理解し、認め合う姿勢が欠かせません。
本記事では、日本人と外国人の仕事に対する価値観の違いや生じやすいトラブルについて解説します。また、トラブルを回避する方法についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

編集部

日本人と外国人の仕事に対する価値観の主な違いは5つ

まず、日本人と外国人の仕事に対する価値観の主な違いについて解説します。

  • 全体調和と個性の尊重
  • 仕事とワークライフバランスの優先度
  • 時間厳守と時間に寛容
  • 暗黙の了解と率直な言語化
  • メンバーシップ型とジョブ型

それぞれの内容について詳しくみていきましょう。

1.全体調和と個性の尊重

日本の文化では、集団の調和が重要視されるため、人々は周囲との協調を優先し、個人の意見を控える傾向があります。一方で、外国では個々の考えや意見が尊重され、自分自身の意見を積極的に発信するのが一般的です。

これらの違いは、各国の歴史や社会的背景が生み出した独自の価値観を反映しており、異なる文化が持つ特性として興味深いものです。

2.仕事とワークライフバランスの優先度

日本では、仕事に対して強い責任感や義務感を持つ人が多く、仕事が生活の中心になる傾向があります。これには、職場内での協調や周囲との関係を重視する文化も影響しています。

一方、多くの外国人は、自身の生活や家族を優先し、ワークライフバランスを意識した働き方を実践する傾向が強いです。とくに、休暇を積極的に活用してリフレッシュするのが一般的で、仕事とプライベートの線引きを明確にしている点が特徴です。

3.時間厳守と時間に寛容

日本のビジネスシーンでは、時間厳守が重要なルールとされています。会議や商談では、約束の時間に余裕を持って到着するのが信頼の証とされ、数分の遅れも厳しく指摘されるケースが珍しくありません。

一方で、海外では時間に対する考え方が異なる場合があります。遅刻に対して柔軟な文化もあり、特に多少の遅れが許容される地域では、約束の時間を厳密に守るよりも、結果や内容に重きを置く傾向が見受けられます。

4.暗黙の了解と率直な言語化

日本では、会話の中で曖昧さや察する力が重視される場合が多く、言葉にしなくても相手の意図を汲み取ることが美徳とされています。このため、直接的な表現を避ける傾向が見られます。

一方、外国では、意思疎通を図る際に明確な言葉で表現するのが一般的です。自分の考えや意見を率直に伝えることが求められ、それが信頼関係の構築にもつながるとされています。この違いは、文化的な価値観やコミュニケーションスタイルの差異を反映しています。

5.メンバーシップ型とジョブ型

日本では、組織全体の調和を重視する「メンバーシップ型雇用」が主流であり、採用後の業務内容や配置が柔軟に変化します。このスタイルでは、企業全体で必要なスキルを補いながら人材を長期的に育成しますが、専門性が深まりにくいという課題があります。

一方、諸外国では、特定の業務や役割に基づいた「ジョブ型雇用」が一般的です。このスタイルでは、採用時点で担当業務が明確化され、報酬も業務の難易度や成果に応じて変動します。

結果として、専門性の高い人材が効率よく成果を出すことが期待されますが、同時に転職の自由度が高いため、人材の流動性も高くなりがちです。

日本人と外国人の価値観の違いによって生じやすいトラブル

次に、日本人と外国人の価値観の違いによって生じやすいトラブルについて解説します。

  • 急に辞める・音信不通になる
  • 意見の違いにより衝突する

それぞれの内容について詳しくみていきましょう。

急に辞める・音信不通になる

外国人労働者の中には、突然職場に来なくなったり、連絡が取れなくなったりするケースがあります。このような原因としては、労働条件への不満や職場環境での問題、人間関係の不和、日本の生活への適応困難などが挙げられます。

これらを防ぐためには、職場全体でサポート体制を整える試みが大切です。たとえば、相談窓口を設けたり、定期的に状況を把握するためのコミュニケーションを図ったりすることが推奨されます。

また、不当な労働条件の回避や、公平な待遇の提供も、安心して働ける環境作りには欠かせません。事態が深刻化した場合には、関係機関への連絡も視野に入れるべきです。

意見の違いにより衝突する

日本人と外国人が共に働く環境では、文化的な価値観や習慣の違いから意見の食い違いが生じるケースがあります。たとえば、日本では時間厳守が当然とされますが、他国では多少の遅刻が容認される文化もあります。

このような文化の違いが積み重なると、互いの期待がすれ違い、不満や摩擦が生じるケースも少なくありません。問題を回避するためには、お互いの文化的背景を理解し、相手の視点に立ってみる必要があります。

日本人と外国人の価値観の違いによるトラブルを回避する方法は3つ

次に、日本人と外国人の価値観の違いによるトラブルを回避する方法について解説します。

  • 遠回しな言い方や表現をしない
  • 言語対応できるスタッフを確保する
  • お互いの文化の違いを理解する

それぞれの内容について詳しくみていきましょう。

1.遠回しな言い方や表現をしない

外国人労働者との意思疎通を円滑にするためには、曖昧な表現を避け、具体的かつ分かりやすい言葉で伝えるようにしましょう。日本語の婉曲的な言い回しは、外国人にとって意味が伝わりにくい場合があるため、結論を最初に述べ、要点を簡潔に説明する工夫が求められます。

また、指示を出す際には、一つひとつの行動を明確に伝えておけば、誤解や混乱を防ぎやすくなります。相手の理解を確認しながら、丁寧な説明を心がけるようにしてみてください。

2.言語対応できるスタッフを確保する

異なる文化背景を持つ外国人労働者との間で発生する価値観の違いを円滑に乗り越えるためには、言語の壁を取り除く必要があります。相互理解を深めるには、英語や母国語で対応可能なスタッフを配置したり、語学に堪能な人材を育成したりする取り組みが必要です。

また、外国人が気軽に相談できる窓口を設置し、彼らが抱える問題や不安に迅速に対応できる環境を整えるのも効果的です。このような体制の構築により、異文化間の摩擦を最小限に抑え、スムーズな協力関係を築けます。

3.お互いの文化の違いを理解する

職場で異文化間の摩擦を防ぐためには、相手の文化や価値観を理解し、それに基づいた柔軟な対応を心がけなければなりません。日本の常識やルールを一方的に押し付けるのではなく、外国人労働者の背景や習慣を尊重する姿勢が求められます。

たとえば、時間の感覚や意見の伝え方など、文化的な違いを前提にした具体的なサポートや調整を行えば、スムーズなコミュニケーションを促せます。お互いの違いを受け入れ、協力しやすい環境を育んでください。

外国人と日本人の違いでよくある3つの質問

最後に、外国人と日本人の違いでよくある質問についてご紹介します。

  • 質問1.外国人を雇用するメリットは?
  • 質問2.外国人人材の主な出身国の特徴は?
  • 質問3.外国人の考え方を尊重する働き方のコツは?

それぞれの内容について詳しくみていきましょう。

質問1.外国人を雇用するメリットは?

外国人労働者の雇用によって得られるメリットは多岐にわたります。まず、多様な価値観や背景を持つ人材の加入により、組織内に新しい視点が生まれ、イノベーションを促進する土壌の形成が可能です。

とくに、異文化を理解し合う機会の増加により、職場のコミュニケーションが活性化し、より良いチームワークが期待できます。また、日本が直面している深刻な人材不足に対しても、外国人労働者は有効な解決策の1つです。

なお、外国人労働者を受け入れるメリットについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

参考:外国人労働者を受け入れるメリットは5つ|採用の注意点やステップを詳しく解説します! – 株式会社 グローバルヒューマニー・テック

質問2.外国人人材の主な出身国の特徴は?

外国人労働者と円滑に協働するためには、彼らの出身国特有の文化や習慣を理解しなければなりません。たとえば、フィリピンやネパールのように家族を重視する文化を持つ国の人々は、家庭の事情に配慮を示せば、信頼関係を築きやすくなります。

一方、アメリカ人は明確な意見表明を好み、専門分野での成長を重視する傾向があります。また、ドイツ人は規律を守りつつ、論理的なコミュニケーションを行うのが特徴です。

こうした国ごとの特性を把握し、それに基づいて柔軟な対応を取ることで、文化の違いを超えた効果的なチーム作りが可能になります。

なお、ベトナム人の人柄や主な文化の特徴については、こちらの記事で詳しく解説しています。

参考:ベトナム人の人柄や主な文化の特徴は3つ|特徴を理解して上手に仕事を進めるコツもご紹介! – 株式会社 グローバルヒューマニー・テック

質問3.外国人の考え方を尊重する働き方のコツは?

日本人と外国人が共に働く環境では、仕事に対する価値観やスタイルの違いが現れる場合がありますが、これらをお互いに尊重し合えば、より良い職場環境を築けます。

とくに、業務内容や役割の明確化は、誤解や不満が生じるのを防ぎ、チーム内での協力を促進する重要なステップです。また、直接顔を合わせて話すコミュニケーションも、信頼関係の構築において欠かせません。

さらに、プロジェクトの目標や課題について共有するだけではなく、個々のキャリアやビジョンについても話し合い、チーム全体の連携を強化するようにしましょう。

まとめ

本記事では、日本人と外国人の仕事に対する価値観の違いや生じやすいトラブル、その回避方法について解説しました。

日本人と外国人の仕事に対する価値観には大きな差があります。これらは、その国の歴史や社会的背景が影響しているためです。また、価値観の違いにより、意見が衝突したり、音信不通になったりする外国人労働者も少なくありません。

外国人労働者との職場でのトラブルを回避するためには、曖昧なコミュニケーションを避け、具体的かつ分かりやすい言葉で指示を伝える努力が必要です。さらに、お互いの文化を理解し、尊重し合う姿勢が欠かせません。

なお、株式会社グローバルヒューマニー・テックでは、グローバル人材に対する総合的な生活支援を実施しており、外国人の受け入れにおける豊富な経験と知識を有しています。ご相談・お見積りはもちろん無料です。まずはお気軽にお問合せください。⇒株式会社グローバルヒューマニー・テックに相談する

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