在留カードは、有効期限内の更新手続きが不可欠です。しかし、更新手続き中に有効期限が切れてしまう場合や、更新手続きを忘れてしまう場合があるかも知れません。このような事態に陥った際に、どのような対処方法があるのか理解しておきたいものです。
本記事では、在留カードの更新方法や期限が切れた場合の対象方法について解説します。また、在留カードを更新する方法やよくある質問についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
在留カードの更新はいつからできる?
在留カードの更新が可能なタイミングについて解説します。
- 申請期間
- 手数料
- 申請者
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.申請期間
在留カードを更新できるタイミングは在留資格の種類によって異なりますが、一般的に在留期間が満了する日の3か月前から更新申請が可能です。しかし、「永住者」と「高度専門職2号」の場合は、2か月前から申請できます。
また、入院や海外への長期出張などやむを得ない事情がある場合は、3ヶ月以上前からの申請も認められていますが、事前に地方出入国在留管理官庁への問い合わせが必要です。
期限を確認する方法
在留期限は、在留カードで確認できます。在留カードは日常的に持ち歩かなければならないものであり、在留資格の種類とともに、有効期限も明記されています。
カードの表面を見ると「在留期間」の項目に、期限の年月日が記されているため、忘れてしまった場合はこの項目を確認しましょう。もし、期限が近い場合は、更新手続きに必要な準備を進めるようにしましょう。
3.手数料
出入国在留管理局に在留期間更新許可申請をすると、通常は2週間〜1か月程度で自宅に通知書としてはがきが送付されます。はがきとパスポート、在留カード、申請受付票を持って出入国在留管理局に出向いて手続きしましょう。
また、更新には4000円の手数料がかかり、収入印紙を手数料納付書に貼付して提出する必要があります。
4.申請者
在留期間更新許可申請は、申請人本人(日本での滞在を希望している外国人本人)や代理人、法定代理人、または取次者によって行うことができます。外国人が所属する機関の職員が入管から取次者としての承認を受けている場合のみ、取次者として申請が可能です。
承認されていない場合、原則として外国人本人が申請者でなければなりません。また、外国人本人が病気やそのほかの理由で申請できない場合、親族や同居人の代理申請が認められています。
在留カードを更新する方法は3ステップ
次に、在留カードを更新する方法について解説します。
- ステップ1.在留期間更新許可申請書と必要書類を提出する
- ステップ2.はがき(通知書)が届く
- ステップ3.新しい在留カードを受け取る
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
ステップ1.在留期間更新許可申請書と必要書類を提出する
在留期間更新許可申請書と必要な資料すべてを用意し、地方出入国在留管理局へ提出します。資料の抜け漏れがないように、チェックシートを用いて確認するのがおすすめです。
証明写真など共通で必要になる書類のほか、「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザ更新には、在留資格ごとに個別で必要になる書類があります。とくに、課税証明書のように役所で発行を依頼する書類は時間がかかるため、在留期間が切れる2か月前から準備しておきましょう。
ステップ2.はがき(通知書)が届く
在留カードの更新申請が問題なく許可されると、申請人の元に出入国管理庁からはがき(通知書)が届きます。はがきには、具体的な手続きの日時や必要な提出書類が記載されています。
はがきを受け取ったら記載されている内容を確認し、指定された日付で出入国管理局へ出向き、はがきと必要な書類を提出して更新の手続きを進めましょう。
ステップ3.新しい在留カードを受け取る
はがき(通知書)に記載された日時に、はがきと必要な書類を揃えて出入国在留管理庁を訪問します。提出した書類が確認された後、不備がなければ新しい在留カードを受け取ることが可能です。
更新されたカードを受け取ることで、在留資格の更新が正式に完了し、引き続き日本での滞在が可能になります。このように、更新手続きは有効期限内に適切に行うようにしてください。
在留カードの有効期限が切れた場合の対処方法
次に、在留カードの有効期限が切れた場合の対処方法について解説します。
- 更新手続き中に切れてしまった場合
- 更新手続きをせずに有効期限切れとなった場合
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.更新手続き中に切れてしまった場合
在留資格の更新期限より前に申請を行っていれば、在留期限が過ぎたとしても、満了日から2か月後まで日本に滞在できるという「特例」が設けられています。在留カードの裏面に「更新手続中」のスタンプが押され、違法な滞在とは見なされず、安全に審査結果を待つことができます。
もし、特例期間中に何か問題が生じた場合は、すぐに最寄りの出入国在留管理局に相談しましょう。
2.更新手続きをせずに有効期限切れとなった場合
在留カードの更新を怠った場合、永住者以外の外国人は在留期限を過ぎた不法滞在者となり、3年以下の懲役または300万円以下の罰金という重罪に問われる可能性があります。また、ほとんどのケースで強制退去(国外への強制送還)が適用され、少なくとも5年間は入国禁止となり、日本に戻れません。
また、永住者(高度専門職2号含む)のような在留期限のない人も在留カードに有効期限が設けられており、更新を怠ると1年以下の懲役または20万円以下の罰金が科されます。そのため、在留カードの有効期限が切れる前に必ず更新手続きをするようにしてください。
在留カードの更新はいつからでよくある5つの質問
最後に、在留カードの更新はいつからでよくある質問について紹介します。
- 質問1.在留カードの更新はオンラインでも申請できる?
- 質問2.永住者も在留カードの更新は必要?
- 質問3.在留カードの更新が不許可になる場合とは?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1.在留カードの更新はオンラインでも申請できる?
在留カードの更新は、利用条件を満たせば24時間いつでも利用可能な「在留申請オンラインシステム」を通して、オンラインで申請が可能です。在留カードの更新(在留期間更新、在留資格変更)のみならず、「再入国許可申請」や「資格外活動許可申請」にも対応しています。
ただし、「外交」や「短期滞在」、「特定活動(出国準備期間)」の在留資格を持つ人や、変更する場合は利用できません。このシステムを利用できるのは、以下のケースのみです。
- 外国人本人
- 法定代理人
- 親族
- 外国人の所属機関の職員
- 弁護士
- 行政書士
- 公益法人の職員
- 登録支援機関の職員
詳細については、出入国在留管理庁のサイトや関連記事を参照してください。
質問2.永住者も在留カードの更新は必要?
在留資格「永住者」「高度専門職2号」を持つ外国人は、在留期限はありませんが、在留カードの更新は必須です。在留カードには、有効期間が設定されており、通常の永住者の場合は「7年」で、16歳未満の永住者は「16歳の誕生日まで」です。
在留カードの有効期限内に更新手続きをしないと、在留資格(永住ビザ)が失効し「不法滞在」となる可能性があります。
質問3.在留カードの更新が不許可になる場合とは?
申請が受理されたとしても「不許可」となる場合があります。不許可の主な原因としては、以下が挙げられます。
- 提出書類の整合性がない
- 在留状況がよくない
- 業務内容が在留資格の活動範囲外である
- 入管法の条件を満たしていない
もし、不許可とされた場合、出入国在留管理庁に連絡し、不許可の詳細な理由を確認しましょう。理由が修正可能なものであれば、その点を修正し、既存の在留資格の期限内に再申請が可能です。
質問4.在留カードを紛失してしまった時は?
在留カードを紛失した場合は、「在留カードの紛失を知った日」から14日以内に再交付申請をしなければなりません。在留カードは、常時携帯することが義務付けられており、警察官などから提示を求められた場合には、この要求に応じなければなりません。
在留カードを携帯していなかった場合、または提示に応じなかった場合、20万円以下の罰金または1年以下の懲役の罰則が科されます。ただし、紛失に気づいた後14日以内に再交付申請をすれば、これらの罰則は課されません。
質問5.在留カードの写真はどのような写真がいいですか
在留カードを更新する際に提出する写真は、規格、背景などの条件が詳細に定められています。条件を満たさない写真と判断された場合、再撮影を求められる可能性があります。
写真の条件は、以下のとおりです。
- 写真のサイズは縦4cm×横3cm
- 背景や影がない写真である
条件を満たさないと判断される写真としては、以下が挙げられます。
- 中心からずれている
- 顔が横向き
- 背景に影が写っている
- 体が傾いている
- 体の一部が隠れている(眼鏡が目を覆っている、マスクをしている等)
- ピンボケにより不鮮明で人物を特定できない
まとめ
本記事では、在留カードの更新方法や期限が切れた場合の対象方法について解説しました。
在留カードの更新期限は、カードの表面にある「在留期間」の項目で確認できます。在留カードの更新が可能なタイミングは在留資格の種類によって異なりますが、一般的に在留期間が満了する日の3か月前から申請が可能です。
もし、在留カードの更新を怠った場合は、不法滞在者とみなされ、3年以下の懲役または300万円以下の罰金という重罪に問われる可能性があります。また、強制退去(国外への強制送還)が適用され、少なくとも5年間は入国禁止です。
このような事態に陥らないためにも、在留カードの更新を忘れないように注意してください。