【担当者必見】外国人の派遣雇用とは?メリット・デメリットや注意すべきポイントを徹底解説!

外国人労働者は年々増加しており、外国人派遣のニーズも高まっています。企業が外国人派遣を雇用する際には多くのメリットがありますが、雇用する際に注意すべきポイントもあるため、これらを総合的に理解しておくことが大切です。

そこで、本記事では、 外国人の派遣雇用の概要や外国人労働者数の推移、外国人を派遣雇用するメリット・デメリットについて解説しています。また、外国人を派遣雇用する際に注意しておくべきポイントについても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

編集部

外国人の派遣雇用とは?

外国人の派遣雇用とは、適切な在留資格(就労ビザ)を持つ外国人を特定の業務に派遣することを指します。この雇用形態では、派遣業者が入管法や関連法規に基づいて、適切に派遣を実施しなければなりません。

また、外国人労働者には、日本語能力の向上やマナー、文化理解のための教育が必要とされます。なぜなら、外国人を雇用する際は、言語や文化の違いに起因する問題が生じる可能性があるためです。

たとえば、面談でのコミュニケーションはスムーズでも、業務上の細かな言葉が伝わらないトラブルが起こるケースがあります。また、外国人労働者が習慣の違いから疎外感を感じることも少なくありません。

しかし、派遣による雇用であれば、このようなトラブルを避けられるため、企業は安心して人材を確保できます。

参考:外国人を派遣労働者・期間工などで雇用する事業主の皆様へ

外国人労働者数の推移

外国人労働者数の推移

引用:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和5年10月末現在)|厚生労働省

厚生労働省が令和5年10月に発表したデータによれば、外国人労働者の数は約200万人に達し、これは届出義務化以降で最も高い数値です。前年比で見ると、の増加率となり、前年から大幅に上昇しました。

この増加の背景には、新型コロナウイルスの影響で一時的に制限されていた政府の水際対策が撤廃された点が挙げられます。その結果、外国人労働者の受け入れが徐々に増加しています。

外国人労働者が増加している背景

外国人労働者が増加している背景にはいくつかの要因が挙げられます。主な要因は以下のとおりです。

  • 少子高齢化による労働者人口の減少

日本は少子高齢化の進行により、働き手とされる15歳〜64歳の生産年齢人口が減少しており、この人口構造の変化が外国人労働者の需要増加につながっている

  • 特定業種の人手不足

飲食業界や介護業界など、特定の業種での人手不足が顕著で、外国人労働者への需要が高まっている

  • 在留資格の拡大

特定技能の在留資格が改定され、建設業、介護、農業、漁業など12の特定産業分野での外国人の就労が可能になった

これらの要因は、日本における外国人労働者の増加に大きな影響を与えています。特に、在留資格の拡大は、外国人が専門的・技術的な分野で活躍できる機会を増やし、多様な業種での雇用を促進しています。

外国人労働者が多い業種

2023年に厚生労働省が公表した「外国人雇用状況」によると、外国人労働者が多く携わっている業種は、特に製造業です。この業種では、ほかの産業に比べて外国人労働者の数が顕著に多いです。

業種名外国人労働者全体割合
製造業552,399人27.0%
サービス業320,755人15.7%
卸売業、小売業263,555人12.9%
宿泊業、飲食サービス業233,911人11.4%

一方、地域差も見受けられ、東京では宿泊業や飲食サービス業の外国人労働者の割合が高くなっています。労働者派遣や請負事業の分野では、サービス業が外国人労働者数の大部分を占め、各視点から

見ると異なる結果になります。

参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和5年10月末現在)|厚生労働省

外国人を派遣雇用する5つのメリット

次に、外国人を派遣雇用するメリットについて解説します。

  • 人材不足の解消につながる
  • ニーズにマッチした人材を派遣してもらえる
  • 直接雇用の際のリスクを回避できる
  • 書類の手続きや労務管理を代行してもらえる
  • コスト削減につながる

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.人材不足の解消につながる

外国人労働者を派遣雇用するメリットは、人手不足の解消が期待できる点です。外国人労働者は就労に対するモチベーションが高く、真面目に仕事に取り組み、業務に積極的な人が多い傾向です。

また、外国人労働者は、家族を支えるため、または日本での長期滞在を目指して積極的に働く人も少なくありません。さらに、日本の採用市場は売り手市場のため、求人広告を掲載しても求める人材が採用できない状況が続いています。

このような状況では、企業は日本人のみならず外国人を含めた幅広い採用基準を設ける必要があります。

2.ニーズにマッチした人材を派遣してもらえる

外国人労働者の派遣雇用では、企業が求める特定のスキルや言語能力を持つ人材をピンポイントで確保できるため、ミスマッチを防げます。たとえば、海外企業との取引に必要な言語スキルを持つ人や、特定の国籍の労働者を求める場合など、多様なニーズに対応可能です。

また、繁忙期のみの人材確保や特定時間帯の労働ニーズにも柔軟に対応できます。また、派遣される外国人労働者は十分な教育を受けており、企業側の負担軽減につながります。

3.直接雇用の際のリスクを回避できる

外国人労働者を人材派遣を通じて雇用することには、語学力や早期退職などのリスクを軽減するメリットがあります。人材派遣会社は、労働者の日本語能力を事前にチェックし、企業の求めるレベルに合った人材を提供します。

また、外国人労働者がより条件の良い企業に転職するリスクも、短期契約による柔軟な人材採用で回避可能です。

4.書類の手続きや労務管理を代行してもらえる

外国人を直接雇用する場合、企業は就労ビザの申請や税務処理、社会保険の加入など、煩雑な手続きをしなければなりません。これらのプロセスは専門知識を要し、時間と労力を大きく消費します。

しかし、人材派遣を利用することで、派遣会社がこれらの手続きを代行し、企業の負担を軽減します。また、勤怠管理や給与計算などの日々の労務管理も派遣会社が担当するため、企業側はこれらの業務にかかる時間やリソースを削減可能です。

5.コスト削減につながる

企業が日本人労働者を募集しても応募者が集まらず、コストを追加して求人活動を続けても十分な人材が確保できないケースが増えています。これは企業にとって大きな負担です。

しかし、外国人労働者の派遣を利用すると、求職者の幅が広がり、効率的に人材の確保が可能になります。また、外国人労働者の雇用には、国や自治体からの助成金が支給される場合があり、これもコスト削減に寄与します。

外国人を派遣雇用する3つのデメリット

次に外国人を派遣雇用するデメリットについて解説します。

  • 文化の違いがネックになる場合がある
  • すべての業種には対応できない
  • 長期的な雇用にはつながりにくい

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.文化の違いがネックになる場合がある

日本の職場文化に慣れていない外国人労働者は、挨拶やコミュニケーション、宗教的な慣習などにおいて誤解を招く場合があります。たとえば、東南アジア諸国の一部では挨拶の習慣が異なるため、日本人との間でコミュニケーションの齟齬が生じる可能性が否めません。

また、宗教による食事制限の違いも、食事の際に問題となる可能性があります。企業としては、外国人労働者が日本の職場文化に適応しやすくするための配慮が必要であり、外国人労働者も日本の習慣に慣れることが求められます。

2.すべての業種には対応できない

日本の法律では、警備業務、建設業務、港湾運送業務、医療関連業務、士業関連の業務、および人事労務に関わる一部の業務への外国人労働者の派遣を禁止しています。これらの制限は、専門性や安全性、法規制の観点から設けられているものです。

たとえば、建設業務では「建設労働者の雇用の改善等に関する法律」により派遣が制限されています。そのため、これらの業種で外国人スタッフを雇用する際には、直接採用が必要です。これは、特定の業種で外国人労働者を採用する際の制約となり、企業が直面する課題です。

3.長期的な雇用にはつながりにくい

外国人労働者のなかには、さまざまな理由で短期間のみ働くことを選ぶ人がいます。たとえば、母国への帰国が予定されている場合や、就労ビザの制約により長期雇用を望まない人達などです。

長期にわたって安定した労働力を確保したい企業にとっては、これらの点に考慮が必要です。派遣雇用の性質上、長期的な雇用関係を築くのが難しい点を理解し、対応策を検討するようにしてください。

外国人を派遣雇用する際に注意しておくべき3つのポイント

次に、外国人を派遣雇用する際に注意しておくべきポイントについて解説します。

  • 契約内容を確認する
  • 在留資格を確認する
  • 派遣元事業者が適法なのか確認する

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.契約内容を確認する

労働者派遣契約には労働条件、就業時間、派遣料金などが含まれ、これらは労働者が働く基準となるため、ルールのなかで働いてもらう必要があります。

企業は契約のルールに基づいて労働者を指導し、派遣会社は雇用や労務の管理を実施します。派遣期間の確認も重要で、契約の中途解除を検討する場合は、派遣会社に事前に通知し、合意を得なくてはなりません。

中途解除の際は、予定日の30日前に通知するか、損害賠償の支払いをするのが一般的です。企業は派遣契約の内容を十分に理解し、法的責任と権利の遵守が求められます。

2.在留資格を確認する

日本で働く外国人は、該当する職務に従事できる在留資格がない場合、企業は不法就労助長罪のリスクに直面し、最大3年の懲役または300万円以下の罰金が科せられる場合があります。通常、人材派遣会社が在留資格を確認しますが、企業側でも念のため確認が推奨されます。

これは、企業が直面する法的リスクを避けるために重要です。派遣される労働者の在留資格が適切であることを確認し、安全かつ適法に外国人労働者を雇用しましょう。

3.派遣元事業者が適法か確認する

労働契約申込みみなし制度では、企業が無許可事業主から意図的に労働者を受け入れると、制度違反とみなされる可能性があります。そのため、派遣元事業者が厚生労働省の許可を得ているかどうか、外国人労働者の在留資格が適切に確認されているか確認が必要です。

このように、法に基づいて運営を実施しているかどうかを事前に確認し、法的な問題に巻き込まれるリスクを避けるようにしてください。

外国人の派遣雇用でよくある3つの質問

最後に、外国人の派遣雇用でよくある質問を紹介します。

  • 質問1.外国人人材紹介サービスとは?
  • 質問2.在留資格で最も多い資格は?
  • 質問3.外国人労働者数のランキングは?

それぞれについて詳しくみていきましょう。

質問1.外国人人材紹介サービスとは?

外国人人材紹介サービスは、企業と外国人労働者の間のマッチングをサポートし、雇用契約成立までのプロセスを効率化するサービスです。このサービスを利用し、企業は外国人労働者の採用における複雑な手続きや調整業務を軽減できます。

サービスの提供内容は、求人票の作成、面接日程の設定、応募者への連絡などの事務作業から、ビザの申請手続きや住居探しのサポートにまで及びます。企業はこれらのプロセスを専門の人材紹介会社に委託した場合、適切な外国人人材を見つけやすくなり、採用活動をより効率的に進めることが可能です。

株式会社グローバルヒューマニー・テックでは、外国籍人材の雇用の課題を解決し、業務量の変動にも柔軟に対応できる派遣サービスを提供しています。ご相談・お見積りはもちろん無料です。まずはお気軽にお問合せください。

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質問2.在留資格で最も多い資格は?

厚生労働省の「外国人雇用状況」によれば、在留資格別の外国人労働者数を見ると、「身分に基づく在留資格」が最も多く、合計615,934人、外国人労働者数全体の30.1%を占めています。

次いで、「専門的・技術的分野の在留資格」が595,904人(29.1%)、そして「技能実習」が412,501人(20.1%)と続きます。特に、「専門的・技術的分野の在留資格」のなかで、平成31年に創設された「特定技能」の在留資格を持つ外国人労働者は、138,518人に達している状況です。

なお、特定技能と技能実習の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:【2024年最新版】特定技能と技能実習の違いは10項目|それぞれに向く企業の特徴も徹底解説!

参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和5年10月末現在)|厚生労働省

質問3.外国人労働者数のランキングは?

厚生労働省によると、日本の外国人労働者の総数は2,048,675人です。前年比で僅かに約0.9%増加していますが、2020年以降、新型コロナウイルスによる入国制限の影響で成長は鈍化しています。

国籍別に外国人労働者数を見ると、大半がアジア諸国出身者です。ベトナム、中国、フィリピンの3つの国籍が、日本の外国人労働者総数の60%以上を占めています。

前年比で労働者数が増加したのは、ベトナム、フィリピン、ブラジル、ペルーなどで、特に2014年以降、ベトナム人労働者の増加が著しいです。長らく外国人労働者数のトップは中国人でしたが、2020年にベトナム人に抜かれ、以降ベトナムが首位を維持しています。

参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】 (令和5年10月末現在)|厚生労働省

まとめ

この記事では、外国人の派遣雇用の概要や外国人労働者数の推移、派遣雇用するメリット・デメリット、派遣雇用する際に注意しておくべきポイントについて解説しました。

企業が外国人派遣を雇用する際には、人材不足の解消や書類手続きの簡素化、直接雇用時のリスク回避などのメリットがあります。しかし、派遣雇用する際には、派遣元事業者が信頼できる企業なのか、在留資格に問題はないのかチェックすることが大切です。

ぜひ、この記事を参考に、外国人派遣の雇用を検討してみてください。

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