外国人の雇用を検討する際は、特定技能と技能実習の違いについて明確に理解しておく必要があります。また、自社がどちらの制度に向いているのかも把握しておかなければなりません。
本記事では、特定技能と技能実習の違いや登録支援機関と監理団体・組合の違いについて解説しています。また、特定技能と技能実習それぞれに向く企業の特徴についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。⇒株式会社グローバルヒューマニー・テックに相談する
特定技能と技能実習の違いは10項目
特定技能と技能実習の違いは10項目あります。項目ごとの詳しい内容は「出入国在留管理庁」の公式ページに記載があるので、参考にしてみてください。
参考:外国人材の受け入れ及び共生社会実現に向けた取組|出入国在留管理庁
登録支援機関と監理団体・組合の違いは3つ
次に、登録支援機関と監理団体・組合の違いについて解説します。
- 業務の目的
- 費用形態
- 参入条件
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.業務の目的
登録支援機関と監査団体・組合は、業務の目的に関して明確な違いがあります。
登録支援機関の主な目的は、特定技能の在留資格を持つ外国人を雇用する企業の支援です。国が企業に義務付けている特定技能外国人の受け入れに関するさまざまな支援業務を担っています。
一方、監理団体・組合は、技能実習生を受け入れる企業に対して、実習の適切な実施を監督する役割を担っています。これらの団体は、3ヶ月に1回以上企業に対する監査を実施し、技能実習の実施状況の確認や企業への指導を実施しなければなりません。
このように、登録支援機関は特定技能外国人のサポートに特化し、監理団体・組合は技能実習生の適切な実習環境の確保を目的としています。
2.費用形態
登録支援機関と監理団体・組合の費用形態にも、明確な違いがあります。
監理団体・組合の場合、企業は定められた監理費用の支払いが毎月必要です。この費用は技能実習1名あたり25,000円〜50,000円の範囲で変動し、団体によって料金が異なります。
一方、登録支援機関への支援委託費用は、20,000円〜35,000円となっており、監査団体よりも割安です。また、企業が自社で支援体制を内製化する場合、支援機関に手続きの必要性がなくなるため、これらの経費を抑えられます。
さらに、特定技能の在留資格を持つ人材を受け入れる際は、建設分野のように業界団体や協議会への費用が別途発生するケースもあります。費用形態に関しては、選択する制度や団体によって異なることを理解し、適切な選択を心がけてみてください。
3.参入条件
登録支援機関と監理団体・組合の参入条件には大きな違いがあります。監理団体・組合は主に非営利法人である協同組合によって運営されており、民間団体や個人事業主の参入は認められていません。
これに対して、登録支援機関は特定の条件を満たせば、民間団体や個人事業主の参入も可能です。制度の違いから、登録支援機関の市場にはさまざまなサービスが存在し、選択の幅が広がっています。
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特定技能と技能実習それぞれに向く企業の特徴
次に、特定技能と技能実習それぞれに向く企業の特徴について解説します。
- 特定技能がおすすめの企業の特徴
- 技能実習がおすすめの企業の特徴
それぞれについて詳しくみていきましょう。
特定技能がおすすめの企業の特徴
特定技能がおすすめの企業の特徴は以下のとおりです。
- 立地や給与条件に自信があり、外国人労働者にとって魅力的な職場環境を提供できる
- 地位や給料条件に不安があっても、外国人が働きやすい環境づくりを積極的に追求し、言語や文化の壁を減らす努力ができる
- 日本語能力が必要な業務が多いため、日本に滞在している外国人や来日経験のある外国人を採用したい
- 大人数の外国人労働者を採用したいため、技能実習生のように人数制限がある制度ではなく、人数制限が少ない特定技能を選択したい
これらの特徴を持つ企業は、特定技能の在留資格を持つ外国人労働者の採用がおすすめです。
関連記事:【2024年最新版】在留資格「特定技能」とは?制度の概要や採用方法、注意点をわかりやすく解説!
技能実習がおすすめの企業の特徴
技能実習がおすすめの企業の特徴としては、以下のとおりです。
- 立地や給与条件、労働環境に自信がなくても、3年間確実な労働力を確保したい場合
- 日本語能力が必要な業務が少ない職場で、外国人労働者の言語の壁が問題になりにくい
- 少人数の外国人労働者の受け入れで問題ない
- 任せたい業務内容がはっきりしており、業務に特化した技能実習生を受け入れたい
これらの特徴を持つ企業にとって、技能実習制度は効果的な選択肢となります。
特定技能と技能実習の違いでよくある3つの質問
最後に、特定技能と技能実習の違いでよくある質問について解説します。
- 質問1.特定技能制度のメリット・デメリットは?
- 質問2.技能実習制度のメリット・デメリットは?
- 質問3.特定技能外国人を採用する際の注意点は?
それぞれについて詳しくみていきましょう。
質問1.特定技能制度のメリット・デメリットは?
特定技能制度のメリット・デメリットは、それぞれ以下のとおりです。
【メリット】
- 受け入れ人数制限がない(建設と介護は対象外)
- 国内在住者を雇用できるため、比較的早期入社が可能である
- 技能実習満了あるいは一定の技能や日本語試験をクリアしているため、即戦力が期待できる
- 技能実習と比較すると、採用コストを抑えられる
- 日本人が従事している業務に付随的に従事が可能である
【デメリット】
- 転職可能なため、定着するための取り組みが重要
- 在留資格申請及び協議会への加入手続きが煩雑
- 技能試験の実施回数が少ない業種も多い
- 企業都合で解雇してしまうと、受け入れができなくなってしまう
これらのメリット・デメリットを理解して制度を活用するようにしてください。
質問2.技能実習制度のメリット・デメリットは?
技能実習制度のメリット・デメリットは、それぞれ以下のとおりです。
【メリット】
- 転職が不可であるため、他社に転職するリスクがない
- 送り出し機関が必要人数を集めるため、人材の獲得が比較的容易である
【デメリット】
- 入社までに時間がかかる
- 特定技能と比べてコストが割高になる
- 受け入れ後の事務作業が煩雑
- 従事可能な作業内容に一部制限が定められている
技能実習制度にはこれらのメリット・デメリットがあります。特定技能のメリット・デメリットも踏まえて、適切な制度の利用が求められます。
質問3.特定技能外国人を採用する際の注意点は?
特定技能外国人を採用する際、企業は「特定技能所属機関(受入機関)」として法令遵守と支援体制の構築が求められます。
これには、特定技能外国人への住居契約時の連帯保証人になることなどが含まれており、支援業務を「登録支援機関」に委託できます。ただし、「特定技能2号」は登録支援機関の支援対象外です。
また、業種別協議会への参加も特定技能所属機関の義務であり、法令遵守と支援能力の確保が必須です。登録支援機関に相談する際には、外国人の受け入れに関する知識と経験を有しているか事前に確認しておく必要があります。
関連記事:【担当者必見】登録支援機関とは?特定技能制度における支援内容やメリット、選ぶ際のポイントを解説!
まとめ
この記事では、特定技能と技能実習の違いや登録支援機関と監理団体・組合の違い、特定技能と技能実習それぞれに向く企業の特徴について解説しました。
特定技能と技能実習はそれぞれに異なる目的を持つ制度です。受け入れが可能な業種も異なるため、それぞれの制度の違いやメリット・デメリットを理解して、適切に制度を活用するようにしてください。
なお、即戦力を求めている場合や大規模な人数を求めている場合などは、特定技能の在留資格を持つ外国人の採用がおすすめです。また、登録支援機関を利用すれば、支援業務を委託することもできるため、合わせて検討してみてはいかがでしょうか。
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